【2024年11月更新】5大Web広告最新アップデート情報まとめ―Google・Yahoo!・LINE・Meta・X―
Web広告は日進月歩で、様々なアップデートが行われています。
今回は、Google、Yahoo!、LINE、Meta、そしてX(旧Twitter)といった主要5媒体に焦点を当て、2024年9月から10月にかけて行われた注目すべきアップデートをピックアップしてご紹介します。
- Google広告のアップデート
- Yahoo!広告のアップデート
- LINE広告のアップデート
- Meta(Instagram・Facebook)広告のアップデート
- X(旧Twitter)広告のアップデート
ユニークワンではWebマーケティング事業を展開する企業として、50以上の業種、計1,250社以上のデジタルコミュニケーションを支援してきました。
Web広告運用代行に関するご相談も承っております。こちらからお気軽にお問い合わせください。
目次
1. Google広告のアップデート
(引用:Google 広告 – 新規顧客の獲得、売上増加に活きるデジタル広告)
1-1. P-MAX
P-MAX(Performance Max)とは、Google広告の自動化キャンペーンの一つ。検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Googleマップといった複数のGoogleネットワークにわたって広告配信を行えます。
また、AIを活用して最適な広告組み合わせやターゲティングを行えるのもP-MAXの特長。このことにより、コンバージョン数などの広告のパフォーマンスを最大化することを目的としています。
ただし、これまでのP-MAXでは、AIによる機械学習に任せきりの配信傾向が強く、無駄な表示がされやすいのがデメリットでした。しかし、今回のアップデートでは、キャンペーン全体での除外キーワード設定や個別アセットの効果測定が可能に。管理が楽になり、広告の効果も上がりやすくなったと言えるでしょう。
●アセットのコンバージョン指標が確認可能に
各アセットごとにコンバージョン指標を確認できる機能が追加され、より詳細なパフォーマンスの分析が可能になりました。
これまでのアセット評価は「最良・有効・低・学習中」のみでした。今回のアップデートでは、この評価が数字で確認できるように。これにより、どのアセットが目標に貢献しているかを把握しやすくなり、最適なクリエイティブを選定しやすくなっています。
●インプレッションシェアレポートとアセットカバレッジレポート
P-MAXに、インプレッションシェアレポートとアセットカバレッジレポートの2つのレポーティング機能が追加されました。
インプレッションシェアレポート機能は、検索結果のページで、検索広告やショッピング広告がどのように表示されているのかを確認できるというもの。
また、アセットカバレッジレポートでは、成果の振るわないアセットグループに対し、具体的な改善施策を提案してくれます。
これにより、インプレッション機会のロスを減らし、広告の露出を最大化するためのインサイトが得られるようになりました。
▼P-MAXについてはこちらの記事もご覧ください
【初心者向け】Google広告の”P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン”とは?注意点や設定方法も解説!
「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」とは、2021年にGoogle広告で新しくスタートした広告プロダクトです。「検索結果・ディスプレイバナーなど様々な掲載面に配信できる」「機械学習により自動的に最適化が進む」という特徴があり「次世代のキャンペーン」とも言われています。 今回の記事は、下記を初心者向けに解説しました!
1-2. VACがデマンドジェネレーションへ統合
VAC(Video Action Campaigns)は、Google広告における動画広告キャンペーンの一種で、視聴者に具体的なアクション(例えば、ウェブサイト訪問や購入など)を促すことを目的としています。YouTubeを中心に、動画視聴中に行動を促進するボタンやリンクを表示させ、ユーザーの関心に応じたアクション誘導が可能でした。
一方で、デマンドジェネレーションキャンペーンは、Googleが提供する広告タイプのひとつで、複数のプラットフォーム(YouTube、ディスカバリー、Gmailなど)を通じてユーザーにリーチし、潜在顧客の関心を高めて需要を喚起することを目的としています。
VACがデマンドジェネレーションキャンペーンに統合されたことで、動画広告を使ったアクション誘導機能がデマンドジェネレーション内でも利用できるようになりました。
1-3. 広告主のファーストパーティデータをGoogleに安全に連携する「機密マッチング(Confidential matching)」の機能を発表
Google広告の新機能として、「機密マッチング」が登場しました。
Cookieレスが課題となっている昨今、Web広告の世界では顧客データの活用とプライバシーの保護の両立は、重要な観点。この潮流にあわせ、広告主のファーストパーティデータ(自社で収集したユーザーデータ)を、プライバシーを確保しつつGoogleと安全に共有するための仕組みとしてGoogleから登場したのが、この機密マッチングです。
機密マッチングは、データのハッシュ化など高度な暗号化技術を用いて、広告主が収集したデータをGoogleのユーザーデータと照合することで、ターゲティング精度の向上を目指します。これにより、データの漏洩リスクを抑えつつ、より適切なターゲット層にアプローチできるため、ユーザーのプライバシー保護と広告効果の両立が期待されています。
▼Cookieレスについてはこちらの記事もご覧ください
Cookieレスが広告に与える影響とは?Cookieが使われるシーン・今後の対策まで、初心者向けに詳しく解説
Cookieとは、ユーザーがWebサイトを開いたとき、スマートフォンやPCに保存される小さなテキストファイルのこと。ユーザーの行動履歴や会員情報などが保存されています。
cookieレス時代のターゲティングとは?Web広告効果を最大化する最新手法を一挙紹介
Web広告の強みは、狙ったターゲットにピンポイントで広告を届けられる高いターゲティング精度にあります。しかし、近年のプライバシー保護の高まりを受け、このターゲティング手法は大きな転換を迫られています
2. Yahoo!広告
2-1. ディスプレイ広告
(引用:【公式】Yahoo!広告の「ディスプレイ広告(運用型)」(バナー広告)|LINEヤフー for Business)
ここ数ヶ月で、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)で、複数のアップデートが行われました。
●広告入稿仕様の一部変更
運用型のカルーセル広告における説明文の最大文字数が38文字から40文字に増加したり、レスポンシブ広告作成時に選択できるボタン文言が追加されたりなど、複数の変更が行われました。
予約型のディスプレイ広告については、「広告掲載基準」も若干変更になっているので、詳しくは公式の発表を確認するのがいいでしょう。
●YDAでのLINE友だち追加広告の提供開始
(引用:【ディスプレイ広告(運用型)】LINE公式アカウントの友だち追加広告 提供開始について|LINEヤフー for Business)
2024年10月7日より、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)において、LINE公式アカウントの友だち追加広告が新たに配信可能となりました。このアップデートにより、より多くのユーザーにLINE公式アカウントを認知・追加していただくための効果的な広告運用ができるようになりました。
ユニークワンでもYDAにおけるLINE公式アカウント友だち追加広告の配信が可能です。詳しくは、下記のニュースもご覧ください。
LINE公式アカウントの友だち追加広告がYahoo!ディスプレイ広告(YDA)で配信可能に!
平素よりユニークワンをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。この度、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)において、LINE公式アカウントの友だち追加広告が新たに配信可能となりました。
2-2. 検索広告
(引用:【検索広告】検索クエリーレポートおよび対象外キーワードへの表記修正適用について|LINEヤフー for Business)
2024年10月のアップデートにより、誤字や脱字を含む検索クエリが、適切な検索クエリに自動的に集約されるようになりました。ユーザーが誤字脱字を含む検索ワードを入力した際にも広告が表示されるようになり、意図したターゲットに広告が届きやすくなります。
なお、表記ゆれや他の意図を含む可能性がある検索クエリー(英訳と翻訳など)は対象外のため、広告主にとっても無駄なインプレッションの心配はなく、精度も維持されています。
2-3. ショッピング広告
Yahoo!ショッピング広告においても、複数のアップデートが実装されました。
●長期間の更新がない商品フィードの削除規定を導入
2024年9月、Yahoo!ショッピング広告では、長期間にわたって更新がない商品フィードの自動削除規定が導入されました。
この変更により、古い商品情報が掲載され続けるリスクが減り、最新の商品情報に基づいた広告表示が促進されます。広告主は、定期的に商品フィードを更新し、最新の状態を維持しなくてはならなくなったので、注意が必要です。
●ショッピング広告で商品情報掲載の月額予算設定が可能に
(引用:【検索広告(ショッピング)】商品情報掲載の月額予算設定について|LINEヤフー for Business)
2024年10月のアップデートで、Yahoo!ショッピング広告に月額の予算設定機能が追加されました。
これにより、広告主は予算を管理しやすくなり、計画的な広告配信が可能になりました。特に、予算の制約がある広告主にとって、効率的な費用管理が期待できます。
3. LINE広告
3-1. 一部詳細ターゲティングの提供終了
詳細ターゲティングの「行動」配下の下記のセグメントについて、12月上旬をめどに提供が終了されると発表がありました。
(引用:LINE広告アップデート情報 2024年8月 動画視聴経由コンバージョンの計測が可能に!|LINEヤフー for Business)
こちらのセグメントを利用中の場合は、終了前に事前に設定変更が必要になるとのことです。また、終了日以前に広告配信した分については、終了日以降も当該セグメントでのレポートを確認可能です。
3-2. LINE GAME公式アカウントに広告配信開始
(引用:【LINE広告】9/11~ LINE GAME公式アカウント広告配信開始|LINEヤフー for Business)
2024年9月11日から、LINE GAME公式アカウントの一部にてトークルーム内のヘッダーに広告を表示が可能になりました。
配信可能なフォーマットは、静止画(Card)/ 静止画(Square) / 画像(小)の3種類。広告グループ設定から、「配信先を編集」内でLINE GAME公式アカウントを配信先として選択できるようになっています。
(引用:【LINE広告】9/11~ LINE GAME公式アカウント広告配信開始|LINEヤフー for Business)
3-3. リード獲得最適化の配信が可能に
LINE広告で、リード(見込み客)数の獲得最大化を目的に、入札を自動で最適化する機能が追加されました。
問い合わせ、資料請求、会員登録など、業種を問わずさまざまなご活用活用できる、うれしいアップデートです。
公式の発表では、金融業種の配信において、コンバージョン最適化配信をリード最適化に変更した結果、CPAが88%に改善し、リードイベント数が113%に増加した例も紹介されています。
(引用:LINE広告アップデート情報 2024年10月 リード獲得最適化の配信が可能に!|LINEヤフー for Business)
なお、こちらのリード獲得最適化の機能は、現在β版として公開中。予告なく機能が変更になったり、終了になったりする可能性もあるとのことで、公式の動向への注視が必要です。
4. Meta広告
(引用:Get Started Meta Advertising)
4-1. Metaが広告アカウントに「自動調整」を追加
Metaは、広告運用を支援する新機能として「自動調整」機能を導入しました。
この機能により、Metaの広告アカウント内で広告配信のパフォーマンスがリアルタイムで分析され、最適化の提案や自動的な調整が行われます。具体的には広告主の承認なしに、広告キャンペーンに下記の変更を加える権限がシステムに付与されているとのことです。
・キャンペーンを一時停止/有効に変更
・予算増減の調整
・広告アカウントの統合
・オーディエンスのセグメンテーションの統合。
手動での細かい管理を省きながら、キャンペーン全体の効果を向上させることが期待されている一方、広告主が意図しない変更によって広告費やセグメンテーションに悪影響が及ばないよう注意が必要という懸念点も。こちらの機能は現在デフォルトでオンになる仕様のため、不要な場合はオフに切り替えが必要です。
4-2. 「複数広告主の広告」がデフォルトでオンに
(引用:複数広告主の広告について | Metaビジネスヘルプセンター)
Meta広告では、2024年のアップデートにより、「複数広告主の広告(Advantage+ catalog ads)」がデフォルトでオンになる設定が導入されました。
この設定により、異なる広告主の広告が関連性の高いユーザーに対して同時に表示されるようになります。これにより、ユーザーは商品やサービスの比較がしやすくなる一方で、広告主にとっては露出機会の増加が期待されます。
一方で、競合の広告が並んで表示される可能性があるため、クリエイティブの差別化やターゲティング戦略がより重要になったともいえるでしょう。
広告主は必要に応じてこの設定をオフにし、従来通りの単独広告の配信も選択可能です。
5. X広告
5-1. 広告ポストを予約投稿する際の仕様変更
(引用:予約投稿ツイート)
米国時間2024年10月20日より、広告マネージャー内で、開始日を未来の日時で指定したキャンペーン配下で作成される広告用ポストについては、広告用ポストが作成されたタイミングから即時で「実行中」のステータスに変更される仕様に変更となりました。
なお、広告用ポストは即時で実行中になりますが、キャンペーンについては事前に指定された日時で開始されるとのことです。
ただし、予約投稿を用いた広告配信は、現状やや挙動が不安定な状況にあるため、可能な限り作成済のポストを利用した広告配信を行うのが無難です。
5-2. コンバージョンAPIの識別子追加に関するアップデート
X広告におけるコンバージョンAPIの識別子追加に関するアップデートも発表されました。
従来、クリックID、メールアドレス、電話番号の識別子の提供がされていましたが、あらたにIPアドレス、およびユーザーエージェントの提供を開始したとのことです。
▼X広告のコンバージョントラッキングについては、こちらのページに詳細な記載があります(別サイト)
https://business.x.com/ja/help/campaign-measurement-and-analytics/conversion-tracking-for-websites
6. まとめ
今回の記事では、Google・Yahoo!・LINE・Meta・X(旧Twitter)の主要5媒体における2024年9月から10月の注目すべきアップデートを一挙に紹介しました。今回紹介したアップデートの傾向は、大まかに以下のようにまとめられるでしょう。
- 機械学習による自動化された広告配信の最適化
- レポーティング機能の充実
- 複数広告主による比較競争の促進
これらの傾向を把握し、広告配信と最適化、競争戦略のポイントを押さえることで、効果的なデジタルマーケティングの展開が期待できます。
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