リスティング広告の効果とは?特徴とメリット・デメリット、成果を出す方法を解説

「Google広告のP-MAXを始めたものの、CPA(顧客獲得単価)が悪化してしまった」「以前より広告費は使っているのに、問い合わせが増えない」。このようにお悩みではありませんか。
P-MAXは、GoogleのAIが配信面・入札・ターゲティングを自動で最適化してくれるキャンペーンです。手間がかからない反面、成果が出なくなったときに「どこをどう直せばよいのかわからない」という状態に陥りやすいという弱点があります。
しかし、2025年から2026年にかけてのアップデートにより、状況は大きく変わりました。配信チャネルごとの成果が見えるようになり、キャンペーン単位での除外設定も管理画面から行えるようになったためです。もはやP-MAXは「中身が見えないブラックボックス」ではありません。
この記事では、P-MAXの効果が出ないときに、闇雲に設定を変更するのではなく、原因を特定してから手を打つための手順を、広告運用の実務目線でわかりやすく解説します。
※P-MAXの基本的な仕組みから確認したい方は、下記コラムもあわせてご覧ください。
【初心者向け】Google広告の”P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン”とは?注意点や設定方法も解説!
「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」とは、2021年にGoogle広告で新しくスタートした広告プロダクトです。
ユニークワンではWebマーケティング事業を展開する企業として、50以上の業種、計1,250社のデジタルコミュニケーションを支援してきました。
リスティング広告の運用代行に関するご相談は、こちらからお気軽にどうぞ。
目次

改善に着手する前に、まず確認していただきたいことがあります。それは「本当に、対処が必要な状態なのか」という点です。
P-MAXの改善で最も多い失敗は、判断を急いで設定を次々に変更してしまうことです。
変更のたびにAIの学習はやり直しになり、かえって成果が安定しなくなります。まずは現状を正しく把握しましょう。
P-MAXは、配信を開始してからAIが成果の出やすいパターンを学習していきます。
ここで押さえておきたいのが、Google広告の公式ヘルプでは、新しいキャンペーンは最低6週間実施することが推奨されているという点です。
機械学習が十分なデータを収集するには、それだけの期間が必要とされています。
また、既存のキャンペーンに大幅な変更を加えた場合も、通常1〜2週間、長い場合は6週間程度の学習期間が必要です。
コンバージョン(問い合わせや購入などの成果)の件数が少ない業種では、さらに時間がかかることもあります。
この期間中は、CPAが目標を大きく上回ったり、日によって数値が大きく振れたりすることが珍しくありません。
開始から1週間で「効果が出ない」と判断して設定を変更してしまうと、学習が振り出しに戻り、いつまでも安定しないという悪循環に陥ります。
まずは、次の3点に当てはまらないかを確認してください。
いずれかに当てはまる場合は、まだ判断するタイミングではありません。設定に手を入れず、いったん様子を見ることが最善の対処です。
「効果が出ない」と一言でいっても、実際の症状はさまざまです。どの指標が悪化しているかによって、打つべき手は変わります。
なお、CV数が少ない場合は、設定を疑う前に日予算が足りているかを確認してください。
日予算を使い切っている状態が続いているなら、そもそも配信量が上限で頭打ちになっている可能性があります。
この場合、いくら設定を調整しても改善しません。
あわせて、目標CPAからの乖離率も確認しましょう。
目標の1.2倍程度であれば設定の微調整で戻せる範囲ですが、2倍以上になっている場合は、配信の構造そのものに問題がある可能性が高くなります。
数字の見方で、特に注意していただきたい落とし穴が2つあります。
1つ目は、CPC(クリック単価)の急落です。
それまで300〜500円で推移していたCPCが、30〜50円まで下がっているような場合、検索面ではなくディスプレイ面に配信が偏っている可能性があります。
クリックは大量に集まりますが、購買意欲の低いユーザーが多いため、CV数が伴わずCPAだけが悪化します。
2つ目は、CV数の水増しです。
「ページ閲覧」や「スクロール50%」といった簡易的な指標をコンバージョンとして計測していると、管理画面上のCV数は増えているのに、実際の問い合わせや売上は増えていないという状態が起こります。
管理画面の数字と、実際の受注件数が一致しているかを必ず突き合わせてください。
現状を把握できたら、次は原因の特定です。ここで活用したいのが、2025年6月にGoogle広告の管理画面へ追加されたチャネル パフォーマンス レポートです。
P-MAXは、検索・ディスプレイ・YouTube・Gmail・Discover・Googleマップと、複数の配信面に広告を出し分けています。
従来はこの内訳が公開されておらず、「どこにいくら使われているのかわからない」ことがP-MAX最大の不満点でした。
チャネル パフォーマンス レポートは、この配信面ごとの成果を確認できる機能です。
表示回数、クリック数、コンバージョン数、コンバージョン値、費用などの指標を、チャネル別に確認できます。
これにより、「ディスプレイ面に予算の大半が流れていた」「YouTubeからのCVはゼロだった」といった事実を、推測ではなくデータで確認できるようになりました。
なお、このレポートで確認できるのは2025年6月6日以降のデータです。それ以前の期間は表示されない点にご注意ください。
改善のためにまず必要なのは、設定をいじることではなく、どこで無駄が出ているかを知ることです。
Google広告の管理画面から、以下の手順で確認できます。
同じ「分析情報とレポート」からは、検索語句レポートも確認できます。
P-MAX経由でどのような検索語句から流入しているかがわかるため、意図しないキーワードへの配信を発見する手がかりになります。
レポートで確認した内容から、次に取るべき対処は以下のように整理できます。

このように、先に原因の当たりをつけてから設定に手を入れることで、無駄な変更を減らし、学習のリセットを最小限に抑えられます。
ここからは具体的な原因と改善策を見ていきます。まずは「AIに何を渡しているか」という観点、つまり設定面の問題です。
P-MAXの成果は、AIの性能そのものよりも、AIに与える情報の質で決まります。
P-MAXのAIは、設定されたコンバージョンを増やす方向に学習します。
裏を返せば、コンバージョンの定義が間違っていれば、AIは間違った方向に全力で最適化してしまいます。
よくある失敗は次のとおりです。
改善の手順は以下のとおりです。
ただし注意点があります。
自動入札を安定させるには、過去30日間で30〜50件程度のコンバージョンが目安とされています(Google広告のヘルプに明記された必須条件ではなく、実務上の目安です)
これを大きく下回る場合はAIの学習データが不足し、最適化の精度が安定しにくくなります。
この場合は、資料ダウンロードや電話タップなど、成果に近い中間指標を補助的に計測してデータ量を補う方法も検討してください。
オーディエンスシグナルは、配信対象を限定する「ターゲティング」ではありません。
「こうした人たちが成果につながりやすい」とAIに伝えるヒントです。
ここを誤解している方が非常に多く見受けられます。
シグナルを設定しなくても広告は配信されますが、AIは手がかりのない状態から探索を始めるため、学習が軌道に乗るまでに余分な時間と広告費がかかります。
設定の手順は以下のとおりです。
あわせて見直したいのが検索テーマです。
検索テーマは、AIに「どのような検索ニーズを持つ人を狙うか」を直接伝える設定で、2026年時点では最大50個まで設定できます(従来は25個でした)
現在配信している検索広告(リスティング広告)でコンバージョンにつながっているキーワードを確認し、それを検索テーマに反映させてください。
自社の顧客理解をAIに引き継がせるイメージです。
「うちは顧客リストが少ないから意味がない」と考えず、持っているデータは渡しておきましょう。
動画アセットを登録していない場合、Googleがランディングページの画像やテキストから動画を自動生成して配信します。
この自動生成動画は、テキストが並ぶだけのスライドショーになることも多く、企業のブランドイメージを損なうおそれがあります。
「動画制作は予算が厳しい」という中小企業の方も多いかと思います。
しかし、スマートフォンで撮影した15〜30秒程度の縦型動画でも十分に機能します。
重要なのは制作費ではなく、冒頭5秒でサービスの価値が伝わるかどうかです。
推奨されるアスペクト比は以下の3種類です。
すべてを一度に揃える必要はありません。
まずは横型を1本用意し、自動生成を止めるだけでも、配信される広告の品質は大きく変わります。
P-MAXには「自動作成アセット」という機能があり、初期設定ではオンになっています。
これは、Googleが広告文(テキストアセット)や遷移先URLを自動で生成・変更する機能です。
便利に思えますが、自社で意図していない表現が使われたり、想定と異なるページに誘導されたりするリスクがあります。
たとえば、商品ページに集客したいのに、自動拡張によってトップページへの誘導が増え、コンバージョン率が下がっていた、というケースもあります。
確認・変更の手順は以下のとおりです。
サービス内容が専門的な業種や、ランディングページごとにターゲットが異なる場合は、オフにして自社で管理するほうが安全です。
設定を整えたら、次は「どこに配信させないか」という制御の観点です。
2025年から2026年にかけて、この制御機能が大きく強化されました。
古い情報のまま「P-MAXは除外できない」と思い込んでいる方は、ぜひ確認してください。
以前、P-MAXの除外キーワードはアカウント単位での設定に限られ、キャンペーン単位で設定するにはGoogle担当者への申請が必要でした。
現在は、管理画面から直接、キャンペーン単位で設定できます。
設定の手順は以下のとおりです。
除外候補は、優先度によって2つに分けて考えるとわかりやすくなります。
この2つは業種を問わず成果につながりにくく、除外による機会損失もほとんどありません。
まずはここから着手してください。
施策次第で除外を検討するキーワード
こちらは一律に外すべきではありません。
比較検討の早い段階から接点を持ちたい場合や、指名検索の獲得をP-MAXに任せている場合は、除外すると成果が落ちることがあります。
特に自社ブランド名の除外は影響が大きいため、慎重な判断が必要です(詳しくは後述します)
なお2026年時点では、除外できる対象はキーワードだけではありません。
デバイスや年齢・性別の除外も、キャンペーンの設定画面から行えるようになりました。
誤クリックが起こりやすいデバイスや、商材のターゲット層と明らかに異なる年齢層への配信を抑えられます。
また、既存顧客への配信を抑えたい場合は、顧客リストを活用した新規顧客獲得の設定も検討できます。
いずれも比較的新しい機能のため、利用できるかどうかは管理画面でご確認ください。
P-MAXでは、広告がWebサイトやアプリなど、さまざまな配信面に表示されます。
その中には、自社の商品・サービスとの関連性が低いサイトや、広告を表示したくないアプリが含まれている場合があります。
こうした配信先が多い場合は、プレースメントの状況を確認し、必要に応じて除外を検討しましょう。
確認する際は、P-MAXのプレースメントに関するレポートから、広告がどのようなサイトやアプリに表示されているかを見ていきます。
このレポートで確認できるのは表示回数などの指標で、配信先ごとのコンバージョン数まではわかりません。
そのため「成果が出ていない配信先」を数字で特定するのではなく、自社の商材やブランドに合っているかという観点で判断することになります。
特に、以下のような配信先がないかチェックしてください。
不要な配信先が見つかった場合は、Google広告の除外設定から対象のプレースメントを除外します。
このチェックは、月に1〜2回の頻度で定期的に行うことをおすすめします。一度設定して終わりではなく、継続的な運用が必要な部分です。
見落とされやすいのが、すでに運用している検索広告とP-MAXが同じユーザーを取り合っているケースです。
特に多いのが、指名キーワード(自社名での検索)の重複です。
P-MAX単体で見るとCPAが良好に見えるものの、実際には検索広告で獲得できていた問い合わせを横取りしているだけで、アカウント全体では新規の獲得が増えていないという状態が起こります。
判断の目安は次のとおりです。
アカウント全体で見て増えていない場合は、指名キーワードの扱いを見直す余地があります。
ただし、「カニバリが起きているなら、すぐに指名キーワードをP-MAXから除外すべき」とは限りません。
指名検索はコンバージョンにつながりやすいため、P-MAXから外すとAIの学習データが大きく減り、キャンペーン全体の成果が落ちてしまうケースがあります。
実務上、ブランド名の除外がうまくいく例は決して多くありません。
「指名検索は検索広告で確実に獲る。P-MAXは新規開拓に集中させる」という役割分担を明確にしたい場合に限って、除外を検討してください。
判断に迷う場合は、まず現状の数値を整理することをおすすめします。
※各キャンペーンの特性と使い分けについては、下記コラムもあわせてご覧ください。
これでわかる!Google広告の種類と活用法:リスティング・ディスプレイ・P-MAXなど全ガイド
Web広告を活用する際、Google広告の導入を視野に入れているマーケティング担当者の方も多いことでしょう。
目標CPAや目標ROAS(広告費用対効果)の設定値が厳しすぎると、配信量そのものが抑制され、表示回数もCV数も伸びません。逆に緩すぎると、効率の悪い配信が増えます。
調整する際は、一度に大きく変更しないことが鉄則です。
目安として、変更幅は20%程度までにとどめてください。変更後は、最低でも2週間は数値を観察します。
実績のCPAから大きくかけ離れた目標値を設定しても、AIは達成できず配信が止まるだけです。
まずは直近の実績CPAに近い値から始め、段階的に絞り込んでいく進め方が現実的です。
原因と対策がわかったところで、実際に改善を進める際の注意点をお伝えします。
ここを押さえておかないと、せっかくの改善策が空回りしてしまいます。
複数の設定を同時に変更すると、どの施策が効いたのか検証できなくなります。
さらに、大きな変更はAIの学習をリセットさせ、成果が安定するまでにまた時間がかかります。
改善は「1つ変更する→2週間観察する→効果を確認する」というサイクルで進めてください。
遠回りに見えますが、結果的に最も早く成果にたどり着きます。
優先順位をつけるなら、影響が大きく、かつリスクの低いものから着手するのが定石です。
具体的には、次の順序をおすすめします。
除外を最初に手をつけないことがポイントです。
除外は配信を絞る作業であり、原因が別のところにある場合、成果をさらに悪化させてしまいます。
経営判断として重要なのが、検証にかける期間と予算をあらかじめ決めておくことです。
判断材料として、次の考え方を目安にしてください。

「気づいたら半年間、赤字のまま配信し続けていた」という事態を避けるには、撤退・見直しのラインを先に決めておくことが何より効果的です。
ここまで解説してきた内容のうち、自社でも十分に対応できる範囲と、専門的な判断が必要になる範囲を整理しておきます。
自社で対応しやすい範囲
これらは管理画面上の操作が中心で、月に数時間程度の工数で対応できます。
専門的な判断が必要になる範囲
こうした領域は、複数の指標を同時に見ながら仮説を立てる必要があり、経験による判断が結果を大きく左右します。
ここまでの改善を一通り実施しても成果が戻らない場合、原因は個別の設定ではなく、アカウント全体の構造にあることがほとんどです。
その場合は、実際のアカウントデータを見ながら診断を受けることをおすすめします。
P-MAXで効果が出ないときの改善手順を、あらためて整理します。

2025年から2026年にかけてのアップデートによって、P-MAXは「AI任せのツール」から「運用者の意図を反映できるプラットフォーム」へと変わりました。
AIに正しいゴールを伝え、自社が持っているデータを渡すことができれば、その性能は十分に発揮されます。
一方で、「チェックリストは一通り試したが改善しない」「そもそも自社のアカウントのどこに原因があるか判断がつかない」という場合もあるかと思います。
株式会社ユニークワンでは、Google広告をはじめとするWeb広告の運用代行を行っており、現在のアカウントを拝見したうえでの課題整理・改善提案も承っております。
新潟をはじめ全国の中小企業さまの広告運用を支援してまいりました。
P-MAXの成果にお悩みの際は、こちらよりお気軽にご相談ください。