コラム

Meta広告のAdvantage+は「どこまで任せるか」で決まる|範囲の分け方

公開: 更新: インターネット広告

「Advantage+ をオンにすべきか迷っている」「どこまで任せてよいのか判断がつかない」

Meta広告を運用していると、こうした場面に出会うことがあります。

判断が難しくなる理由の一つは、Advantage+ が1つの機能ではないことにあります。

実際には複数の自動化機能をまとめた総称で、しかもMetaは「全部任せる方法」と「一部だけ任せる方法」を分けて用意しています。

つまり「使うか、使わないか」という二択の問題ではありません。

「どこを任せて、どこを自分で決めるか」という設計の話です。

この記事では、Advantage+ の機能を「どこまで任せられるか」という視点で整理し、自社がどこで線を引くかを決めるための判断軸をお伝えします。

  • Advantage+は「使う・使わない」ではなく、どこまでAIに任せるかで考える
  • 「一部だけ任せる」シングルステップと「全部任せる」エンドツーエンドの違いを整理
  • 「制御」と「提案」の違いを理解し、意図しない配信を防ぐ
  • 自社の商材やデータに合わせて、A/Bテストで最適な設定を見つける方法を解説

※Advantage+ がそもそも何なのか、AIが何をしているのかから確認したい方は、下記コラムを先にお読みください。

Advantage+とは?Meta広告のAI機能をはじめての方向けに解説

Meta広告の管理画面を開いていると、あちこちで「Advantage+」という言葉を見かけます。

ユニークワンではWebマーケティング事業を展開する企業として、50以上の業種、計1,250社のデジタルコミュニケーションを支援してきました。

リスティング広告の運用代行に関するご相談は、こちらからお気軽にどうぞ。

 

1. 前提|Advantage+ は「1つの機能」ではありません

判断軸に入る前に、1点だけ確認しておきます。

Metaの公式ヘルプでは、Advantage+ を「AIを活用してキャンペーンをリアルタイムで最適化する製品スイート」と説明しています。

「製品スイート」=複数の製品をまとめた呼び方です。

つまりAdvantage+ という単一のスイッチがあるわけではなく、オーディエンス・配置・予算・クリエイティブなど、それぞれ別の機能が束ねられています。

だからこそ「Advantage+ をオンにすべきか」という問いは、そのままでは答えが出ません。

どの機能を、どこまで任せるのかに分解して初めて、判断できるようになります。

本記事は、その分解の仕方を扱います。

 

2. Advantage+ には「一部だけ任せる」と「全部任せる」があります

ここが本記事で最もお伝えしたい部分です。Advantage+ には、任せる範囲の違う2つのタイプが用意されています。

2つのタイプ

公式ヘルプでは、①を「広告マネージャで個々のAdvantage+ 自動化機能を選択すると、キャンペーンでの特定のニーズに対応できます」、②を「キャンペーン全体にAIを適用してキャンペーンの目標を達成する、最も効率的な方法」と説明しています。

まずは①から見ていくとイメージしやすいかと思います。

機能ごとに任せるかどうかを選び、その延長線上に「全部まとめて任せる」②がある、という関係です。

一部だけ任せる(シングルステップ)の5カテゴリ

個々の機能を選んで使う方法です。公式ヘルプの分類にそって整理すると、次のようになります。

「Advantage+ を使う」と言ったとき、このうちどれを指しているのかを確認すると、話が具体的になります。

全部任せる(エンドツーエンド)の3種類

キャンペーン全体をAIに任せる方法です。次の3つが用意されています。

なお、以前「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」と呼ばれていたものは、現在の公式表記では「Advantage+ セールスキャンペーン」です。

管理画面で探す際は、こちらの名称でご確認ください。

※ショッピングキャンペーンの詳しい仕組みは、下記コラムでも解説しています。

【Facebook広告】ASC(Advantage+ ショッピングキャンペーン)とは?工数削減で成果最大化!

ASCとは、「Advantage+ ショッピング キャンペーン」の略で、Facebook、Instagramなどを提供するMeta社の広告キャンペーン。

公式も「すべてを自動化したくない場合」を想定しています

見落とされやすいのですが、Metaの公式ヘルプには次のような記述があります。

顧客に関する知識を共有しながら、AIを使ってオーディエンスを開拓したいが、キャンペーンのすべてのステップを自動化したくはない場合は、Advantage+ オーディエンスは効果的な選択肢となります。

Meta自身が、「全部は任せたくない」という選択を想定しているということです。

また、目的が売上・リード・アプリの宣伝であれば、より包括的なAdvantage+ キャンペーン(エンドツーエンド)を推奨するとも書かれています。

目的や状況に応じて、任せる範囲を選べる設計になっています。

だからこそ、判断すべきは「使うか使わないか」ではなく、「どこまで任せるか」です。

 

3. 「制御」と「提案」の違いを理解する

Advantage+ オーディエンスを使ううえで、最も誤解されやすい部分をお伝えします。

ここを知っておくと、想定外の配信に慌てずに済みます。

「必ず守られる設定」と「目安として扱われる設定」があります

Advantage+ オーディエンスには、性質のまったく異なる2種類の設定があります。

同じ画面で並んで見えますが、効き方が違います。

公式ヘルプでは、それぞれ次のように説明されています。

制御:「例えば、[地域]を選択した場合、[広告に反応する可能性が高い人へのリーチを増やす]を選択しない限り、指定した地域を超えて広告が配信されることはありません
提案:「自分が選択したオーディエンスに加え、パフォーマンスが向上する可能性が高い場合にはそれ以外のオーディエンスにも広告が表示されます」「提案によって常にオーディエンスが制限されるわけではありません

 

「女性向け商材なのに男性に配信される」のは仕様です

公式ヘルプには、次の例がそのまま書かれています。

例えば、性別で[女性]を提案しても、反応を得られる可能性が高いとMetaのAIが判断した場合、広告は男性にも配信される可能性があります。

「女性向けの商材なのに男性に配信されている。設定ミスか、不具合ではないか」というご相談をいただくことがありますが、性別は「提案」であって「制御」ではないため、仕様どおりの動きということになります。

この違いを知らないまま数字を見ると、「広告が意図どおりに動いていない」という誤解につながります。逆に知っていれば、性別は必ず守られる設定ではないと判断できます。

どうしても絞りたいときの選択肢

とはいえ、事業上の理由でどうしても配信対象を限定したい場合もあります。

その場合は、[オーディエンスをさらに制限する](または[広告のリーチをさらに限定])を選び、年齢・性別・詳細ターゲット設定・カスタムオーディエンスを制御として指定する方法があります。

ただし、公式ヘルプはこの方法を次の条件付きで案内しています。

パフォーマンスを最大限高めることよりも特定のオーディエンスにリーチすることの方が重要である場合は、[オーディエンスをさらに制限する]または[広告のリーチをさらに限定]を選択し(後略)

絞り込みとパフォーマンスはトレードオフの関係にある、という前提が公式にも示されています。

「絞れば精度が上がる」とは限らない、という点は押さえておきたいところです。

Advantage+ オーディエンスを使えないケース

次に該当する場合、Advantage+ オーディエンスは利用できません。

・金融商品およびサービスに関する広告
・雇用・住宅に関する広告
・社会問題・選挙・政治に関する広告

これらは特別な広告カテゴリとして扱われます。該当する業種では、そもそも選択肢に入らないため、別の設計を前提に考えることになります。

 

4. どこまで任せるかを決める判断軸

機能の全体像がわかったところで、実際にどう決めるかを整理します。

任せやすいもの、自社で決めたいもの

すべてを同じ基準で判断する必要はありません。性質の違いで分けて考えると、決めやすくなります。

3つ目は「AIに任せてはいけない」という意味ではありません。

事業側にしかない前提条件があるため、そこは人が決めるほうが自然だということです。

たとえば「配送できるエリアが決まっている」「既存顧客には別の訴求をしている」といった事情は、AIには知りようがありません。

リターゲティングは例外として扱われています

公式ヘルプでは、Advantage+ オーディエンスについて次のように案内されています。

リターゲティングキャンペーンを除くほぼすべてのキャンペーンタイプについて、Advantage+ オーディエンスのA/Bテストを実施することをおすすめします。

すでに接点のある人に確実に届けたいリターゲティングでは、配信を広げる仕組みと目的が噛み合いにくいということです。

ここは別設計で考えるのが自然です。

迷ったら、自社のアカウントで比べる

ここまで判断軸を挙げてきましたが、最終的には自社のデータで確かめるのが確実です。

公式ヘルプもA/Bテストの実施を推奨しています。

商材、単価、蓄積データの量、営業体制。条件が違えば結果も変わります。

一般論として「任せたほうがよい/よくない」と決める必要はありません。

なお、過去にうまくいったキャンペーンを複製して使い続けている場合は、当時の設定が現在も有効かどうかを一度確認しておくと安心です。

Meta広告はターゲティング項目の統廃合が行われることがあり、古い設定が残ったままになっているケースがあります。

管理画面に警告が表示されていないかも、あわせてご確認ください。

 

5. 自動化が進むほど、人がやることは何か

Advantage+ に任せる範囲が広がると、運用者の仕事がなくなるように思えるかもしれません。

実際には、力を入れる場所が移るというほうが近いと考えています。

AIに渡す材料の質が、成果を左右します

Advantage+ オーディエンスが何をもとにオーディエンスを見つけているか、公式ヘルプには次のように書かれています。

・過去のコンバージョン
・Metaピクセルデータ
・以前の広告に対するアクション

いずれも、自社側の計測が整っていて初めて蓄積されるデータです。

計測が正しく設定されていなければ、AIに渡る材料が乏しくなります。

逆に、本当に価値のあるコンバージョンを正しく計測できていれば、AIはその方向に最適化していきます。

「AIに任せる」という判断をしたなら、何を成果として教えるかを設計することが、そのぶん重要になります。

※何を成果として教えるかという論点は、下記コラムでも詳しく解説しています。

Metaリード獲得広告の「数」と「質」をどう設計するか|目的別の使い分け

「Metaのリード獲得広告でリード数は増えた。獲得単価も悪くない。それなのに、営業から『このリスト、電話しても話にならない』と言われる」

クリエイティブは、人が決める部分が大きく残ります

Advantage+ クリエイティブは、画像や動画を成果につながりやすいバージョンに最適化してくれます。

ただし、最適化の対象になるのは、こちらが用意した素材です。

誰に、何を、どう伝えるか。この設計自体は、商材と顧客を理解している側にしかできません。

自動化が進むほど、素材そのものの差が結果に出やすくなるとも言えます。

自社で進める範囲と、外部に相談する範囲

中小企業の体制を前提にすると、次のような切り分けが現実的です。

自社で進めやすい範囲

・Advantage+ の各機能が、いまオンになっているかどうかの確認
・地域・除外リストなど、事業上の制約にあたる設定の見直し
・計測が正しく動いているかの確認

外部の知見があると進めやすい範囲

・どの機能をどこまで任せるかの全体設計
・A/Bテストの設計と、結果の解釈
・計測基盤(ピクセル・コンバージョンAPI)の実装
・クリエイティブの企画と制作

前者は管理画面を見れば確認できます。

後者は、判断の材料をどう作るかという話になるため、経験が結果を左右しやすい領域です。

 

まとめ|「使うかどうか」ではなく「どこまで任せるか」

Meta広告のAdvantage+ について、要点を整理します。

  • Advantage+ は1つの機能ではなく、AI自動化機能の総称(製品スイート)
  • 「全部任せる」エンドツーエンドと、「一部だけ任せる」シングルステップがある。Metaは両方を用意している
  • オーディエンスには、必ず守られる「制御」と、目安として扱われる「提案」がある
  • 事業上の制約(商圏・除外・ブランド表現)は、人が決めるほうが自然
  • 一般論で決めず、自社のアカウントでA/Bテストして確かめる

設定チェックリスト(10項目)

Advantage+ は、使うか使わないかを一度決めて終わりにする機能ではありません。

目的と事業上の制約に合わせて、任せる範囲を調整していくものだと考えています。

そして、その線引きに唯一の正解はありません。

商材が違えば、蓄積しているデータが違えば、適した設計も変わります。

「どの機能をどこまで任せるべきか判断がつかない」「オンにしてみたが、成果の変化をどう読めばいいかわからない」「そもそも計測が正しく動いているか自信がない」という場合もあるかと思います。

株式会社ユニークワンでは、Meta広告をはじめとするWeb広告の運用代行を行っており、現在のアカウントを拝見したうえでの課題整理・改善提案も承っております。新潟をはじめ全国の中小企業さまの広告運用を支援してまいりました。

Advantage+ の設計にお悩みの際は、こちらよりお気軽にご相談ください。

 

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