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コラム

AI時代の新しい検索体験「SGE」とは?SEOとの違いや対策を徹底解説

SEO対策・MEO対策

SGEとは_アイキャッチ

SGE(現AI Overview)とは、Google検索におけるユーザーの質問に対して自動生成AIが回答してくれる機能。

2023年以降、生成AIの大幅な普及に伴い、SEOの分野でも生成AIが台頭してきました。独自の生成AIモデル「Gemini」も開発するGoogleでも、検索におけるAIの活用が推進されています。

本記事では、「SGEってなにができるの?」「これまでの検索エンジン対策のSEOとは何が違うの?」という疑問に応えるとともに、SGE(現AI Overview)の最新情報も紹介します。

  • SGEの特長・メリット・デメリット
  • SEOへの影響
  • 基本的なSGE対策
  • 最新のSGE情報

ユニークワンではWebマーケティング事業を展開する企業として、50以上の業種、計1,250社のデジタルコミュニケーションを支援してきました。

SEO対策やオウンドメディア運用に関するお問い合わせは、こちらからお気軽にどうぞ。

1. SGEとは

1-1. SGEの特徴

SGEとは、”Search Generative Experience”の略で、Google検索の新機能。Googleが保有する膨大な情報データベースをもとに、AIが自然言語の形式で回答を出力するというものです。

生成AIの仕組みを検索結果に取り入れ、ユーザーの検索意図により適した結果を生成することが可能になりました。

具体的には、下記のような特長を備えています。

①生成した回答の中に複数のWebページが組み込まれている

SGEとは_回答生成イメージ

(引用:生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介

SGEの検索結果は、従来のGoogle検索のように上位10サイトのみを表示するのではなく、回答文の中に情報源となるWebサイトを複数ピックアップして掲載してくれます。

②検索結果の一番上に生成AIによる回答を表示

SGEとは_SGEの表示位置

(引用:生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介

SGEで得られた回答は、通常の検索結果よりも上位に表示されます。

③会話型AIによって詳細な情報を得られる

SGEとは_会話形式で質問継続が可能

(引用:生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介

SGEでは、チャットのように会話形式でAIに質問を続けながら情報を検索可能。自然な会話のような形式で、文脈を引き継ぎながら情報の探索を深めていくことができます。さらに、上図のように、追加の質問例も表示されます。

また、SGEは長文形式の検索にも対応しているのが特徴。

従来の検索エンジンでは長文の検索では精度が下がるため、「新潟市 Web広告」のように単語を区切って検索する必要がありました。一方、SGEでは、「新潟市でWeb広告代理店に相談したい」のように自然な文章で検索結果を得ることが可能です。

1-2. SGEの利用方法

SGEの利用を開始するためには、現在下記のような条件が課されています。

・ 個人向けGoogle アカウントを保有
・ 18歳以上
・ Search Labsを利用できる国や地域に居住

また、SGEはまだ試験段階のため、利用開始には下記の手順を踏む必要があります。

①Googleクロームを起動し、Googleアカウントにログインしていることを確認

②画面右上のフラスコアイコンをクリック

③Google Search Labsのページに遷移するので、以下の「オンにする」をクリック

SGEとは_利用開始手順

このように、SGEの利用を開始するためには、自分の意思でsearch labsで利用をオンにする必要があります。ただし、アメリカの一部ユーザーを対象に、オプトインしていないくともSGEが有効な検索を試験的に開始したとのことで、今後より一層身近な機能となっていくことが予想されます。

また、Perplexityのような類似のサービスが台頭しつつあるので、生成AIを用いた検索表示への対策は今後必須と言えるでしょう。

1-3. SGEのメリット

それでは、SGEを利用するメリットを具体的に紹介していきます。主なメリットは下記の3点です。

①検索結果をより効率的に理解することが可能

検索結果から重要な情報を抽出して、わかりやすい文章でまとめるのがSGEの特長。複数のページに基づくまとめ情報を一度で確認できるため、文脈も含めた効率的な理解に繋がる可能性が高いと言えるでしょう。

②多角的な情報を獲得できる

SGEの生成結果は、引用ではなく、複数の情報源となるページを参照して動的に生成されたもの。とはいえ、検索結果の中には、関連するページや参照元となるWebページへのリンクも掲載されるので、多角的な情報収集に繋がります。

③追加の質問が表示される

繰り返しになりますが、SGEでは生成結果に対して会話形式で質問を継続することが可能です。特定の検索ワードでは追加の質問案も表示されるので、生成内容を深掘りする際の手助けとなります。

1-4. SGEのデメリット

このように便利なSGEですが、注意が必要なポイントも。

まだまだ試験運用中のため、キーワードによっては情報の信頼度が低い場合もあります。
また、YMYL(Your Money Your Life)と呼ばれる医療やお金など、人々の生活や安全に大きく影響する領域のワードでは、注意書きが表示されます。

SGEとは_YMYL注意書きの例

例えば、上記のように、「株式投資とは」の回答を生成した際には、「生成 AI は試験運用中です。金融に関するアドバイスについては、専門家にご相談ください。」との注意書きが表示されています。

上記のようなより正確性が要求される内容だけではなく、生成された回答の結果についてはまだまだ精査が必要な段階と捉えるべきでしょう。

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2. SGEとSEOの違い

ここからは、SGEの登場による従来の検索エンジン最適化施策への影響を概説します。

2-1. SEOとは

SEOは「Search Engine Optimization」の略称で、日本語で「検索エンジン最適化」を指します。Webサイトの内容を充実させたり、Google等の検索エンジンに理解しやすいように最適化したりすることで、検索結果の上位に表示させることを狙う施策です。

言うまでもなく、検索結果画面の上位に表示されればされるほど、検索からのクリック率は上昇します。SEO対策を行うことで、商品やサービスの認知拡大や新規顧客を獲得することを目的とします。

長らくWebサイトのPV数を上げるための定石と考えられてきたSEOですが、SGEの登場により新たな対策が必要になると考えられています。

2-2. SGEのSEOに対する影響

SEO対策に影響を与えるであろうSGEの特徴は下記の2点。

・SGEは検索結果画面の最上位に表示される
・SGEに表示されるためのアルゴリズムは、検索結果の上位表示を決めるアルゴリズムとは異なる

具体的には、どういうことでしょうか?
SGEの登場がSEOに与える大きな影響は、主に下記の2つと換言できるでしょう。

①ゼロクリックリサーチが増える

ゼロクリックリサーチとは、検索画面からコンテンツページにアクセスすることなしに検索画面から離脱すること。

SGEとは_強調スニペットの例

SGEに限らず、近年Google検索画面上位の利便性は向上しています。

例えば、上記のように天気を検索した場合、検索画面で知りたい情報が完結してしまい、表示されたWebサイトやコンテンツにアクセスせずに検索を終了した経験は誰しもあるのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、SGEは複数のコンテンツやページを参照してわかりやすくまとめた回答を表示するというもの。SGEによってこのようなゼロクリックリサーチに拍車がかかり、検索からの流入が減少する可能性が大いにあります。

なお、GoogleはAIが作成した概要内の一部セクションや概要の前後に広告枠を表示する予定と発表。下図のように、概要の内部に「スポンサー広告」のラベルとともに、商品ページへのカルーセルが追加される例が示されています。

SGEとは_概要内の広告表示の例

(引用:New ways Google AI can improve ads performance and creativity

このように新しい表示形式も模索されているため、SGEの登場によってGoogleからの流入が一概に減少するわけではありません。ただし、従来の自然検索とは異なる対策が必要になることは、念頭に置いておいた方がよいでしょう。

②Webサイトの評価が変わる可能性がある

上述の通り、SGEによる回答は、通常の検索結果よりも上位に表示されます。SEO対策で検索の上位に表示されるようになったとしても、SGEによる回答のみを見て検索を終了した場合、PV数は減少してしまうでしょう。

一方で、SGEによって新たな検索ワードからの流入を獲得できる場合もあります。

SEOによる上位表示のアルゴリズムと、SGE内に関連ページとしてリンクを掲載されるアルゴリズムは異なります。検索ボリュームが大きいなどの理由で上位表示を狙うのが難しかったワードであっても、SGEによる回答内にリンクが掲載されれば、大きな流入を見込めるチャンスと言えます。

このように、今後はSGEに表示されるかどうかが、売上や認知獲得に多大な影響を与えるようになっていくと考えられます。

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3. 基本的なSGE対策

ここからは、SGE対策としておさえておきたいポイントを3つ紹介します。

3-1. アクセスしたくなるようなコンテンツ制作

ゼロクリックリサーチを避けるため、SGEに引用された際に、さらに詳細を読み込んでみたいと思わせるコンテンツの制作が必要不可欠です。

具体的には、 「E-E-A-Tの強化」を念頭においてコンテンツを制作しましょう。

E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略。Googleの検索品質評価ガイドラインで定義されているウェブサイトの評価基準です。

以前から重要性が提示されていた「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」に加え、近年「Experience(経験)」が追加されました。

「Experience(経験)」にあたるのは、体験談や口コミなどの一次情報を備えたコンテンツ。実際の経験をもとにした生の声は、AIには生成不可能です。独自の情報として高く評価されるほか、ユーザーにとっても関心を引く内容となりうるとして、コンテンツ制作の際に特に推奨されています。

3-2. AIに参照されやすい構成

SGEの回答生成に参照されるには、人間が読んで面白いだけではなく、AIが理解しやすい内容を心がける必要があります。具体的には、下記の3点をおさえておくとよいでしょう。

①結論を明示する
②ページ内に目次を入れ、わかりやすい階層構造になっている
③ページ全体のサマリー(要約)がわかるパートを入れる

上記3点をおさえてコンテンツ制作を行うことで、AIにも何が書いてあるのか理解しやすい内容となります。

また、これらのポイントはSEO対策にも通じるもの。SGEと検索の上位表示を決めるアルゴリズムは異なると言えど、現状ではしっかりとSEO対策をした検索上位のコンテンツがSGEに拾われやすい傾向にあります。従来のSEOライティングの方法は、今後も継続していくことをオススメします。

3-3. 外部からの流入経路の確保

上述の通り、これまで自然検索からも十分にPV数を確保できていたページであっても、SGEの台頭によってクリック数が減少する可能性は否めません。そんな場合に備え、SNSなど複数のチャネルからの流入を確保しておく必要があります。

特にオススメなのはローカル検索対策、すなわちMEOに力を入れること。
MEOは「Map Engine Optimization」の略。その名の通り、Googleビジネスプロフィールなどに登録し、地図検索上でより表示されやすくすることを目的とした施策です。

ローカル検索の検索結果は自然検索の結果よりも上位に表示されます。また、ユーザーが検索を行ったエリアに紐づいて表示されるので、より見込みユーザーに届きやすいのも特長です。

加えておさえておきたいのは、Googleビジネスプロフィールには、ユーザーが口コミを書き込める機能もあるということ。ユーザーによる口コミは一次情報の宝庫。前述の通り、AIに生成不可能な「Experience(経験)」に当たる一次情報の評価は高まっています。

MEO対策に力を入れることが、AI時代に有効なコンテンツ作りにも繋がっていると言って過言ではないでしょう。

▼MEO対策については、こちらの記事もご覧ください

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4. 最新のSGE動向とトレンド

最後に、2024年5月時点の、SGEの最新動向を紹介します。

4-1. 正式バージョン「AI Overview」の発表

日本時間5月15日、SGEの正式公開版「AI Overview」が発表されました。より一層複雑な質問に対する回答や検索方法が追加されるなど、回答生成AIツールとして進化を遂げています。

Googleの発表によると、この「AI Overview」は発表日の5月15日よりアメリカの全ユーザーの利用を開始し、他の国へ展開される予定。現在、日本でも回答生成画面に従来見られなかった「AIによる概要」(英訳するとAI Overview)の表記が認められます。

SGEとは_AIによる概要

4-2. SGEからAI Overviewへの変更点

ではAI Overviewの登場により、SGEはどのような進化が起こるとされているのでしょうか?主な変更点を3つ紹介します。

①より一層複雑な質問に関する回答や検索方法の追加が示唆

SGEによって、より自然な言語に近い質問形式の検索が可能になったことはすでに述べました。AI Overviewでは、さらに複雑な形式の質問にも対応できるようにアップデートすると発表されています。

SGEとは_AI Overviewへのアップデート_複雑な質問

(引用:Google I/O 2024: 検索における新たな生成 AI エクスペリエンス

その一例として、Googleの公式発表の中では、上図のように事前のプラン作成に役立つ使用例が掲載されています。

「グループ向けの簡単に準備できる 3 日間の食事プランを作成する」と検索すると、AIによる献立スケジュール案が生成されます。レシピの詳細へのリンクを確認できるほか、GoogleドキュメントやGmailに素早くエクスポートすることも可能です。この機能は、現在アメリカ版のAI Overviewですでに実装されています。

②AIによるまとめ出力

SGEとは_AIによるまとめ生成

(引用:Google I/O 2024: 検索における新たな生成 AI エクスペリエンス

AIが項目ごとに整理・分類した検索結果ページが表示されるようになるとのことです。

例えば、「記念日のディナー」と検索すると、記念日にふさわしいレストランはもちろん、専門家によるおすすめ、歴史的な背景、記念日に人気の料理など、キュレーションメディアのようにカテゴリごとにAIが整理した状態で表示されるようになるとのこと。

③動画や音声による検索も可能に

SGEとは_動画や音声による検索

(引用:Google I/O 2024: 検索における新たな生成 AI エクスペリエンス

また、これまでのようにテキストで検索内容を打ち込むだけではなく、動画や音声を読み込んでAI Overviewで検索することが可能に。

例えば、レコードプレイヤーの針が正しい位置に戻らない場合、そのレコードプレイヤーを撮影して「どうして針が戻らないの?」と音声で入力すると、レコードプレイヤーの型番や音声入力された問題内容に基づいた検索結果が表示されます。

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5. まとめ

今回は、SGE(現AI Overview)について、概要や基礎的な対策、最新の動向について解説しました。

  • SGE(現AI Overview)とは、Googleによる生成AIの技術を用いた新しい検索体験
  • SGEの台頭により、自然検索からの流入に影響を与える可能性がある
  • 今からできる基本的なSGE(現AI Overview)対策は、E-E-A-Tを強化することと、検索以外の流入減を確保すること
  • 動画や音声を用いた検索など、今後より多彩な検索に対応していくことが見込まれる

SGE(現AI Overview)はまだまだ試験運用中ということもあり、今後も大幅なアップデートが予想されます。繰り返しになりますが、今後は個人の経験談など、他では得られない一次情報を掲載するなど、人間にもAIにも読みやすいコンテンツの需要がさらに高まっていくでしょう。

ユニークワンではWebマーケティング事業を展開する企業として、50以上の業種、計1,250社のデジタルコミュニケーションを支援してきました。

数々のSEO対策やオウンドメディアの支援の実績もございます。SGE対策、SEO対策について検討されている方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

 

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