動画広告は何種類?YouTubeやSNS動画広告のメリット、活用事例も紹介
テレビCMは、多くのお客様に商品・サービスを知ってもらえる広告手法のひとつです。
ところが近年はネット広告の存在感が増しており、広告業界での「デジタルシフト」が進んでいます。
今までテレビCMをメインにしていた企業の場合、「テレビCMはやめてネット広告に変えたほうがいいのか?」と感じるかもしれません。
しかし、テレビCMとネット広告は得意分野が異なります。組み合わせることで、相乗効果が生まれやすくなるのです。
今回の記事では、
- テレビCMとネット広告の特徴が分かる
- テレビCMと相性が良いネット広告の種類が分かる
- CM素材をネット広告に活用する際のチェックポイントが分かる
それぞれの特徴を知り、組み合わせることで広告効果を最大限に高めていきましょう!
目次
1.テレビCM・ネット広告の現状
1-1.広告費はインターネット広告>テレビ広告
媒体別の広告費を見てみると、2019年にネット広告がテレビ広告を上回っています。
(株式会社電通「2020年 日本の広告費」をもとに作成)
従来、テレビ広告は広告費規模が最も大きいメディアでした。
しかし、社会全体のデジタル化・オンライン化に伴いインターネット広告が伸長。
現在はテレビ広告を抜き最も広告費規模が大きいメディアとなっています。
1-2.テレビCMとネット広告(運用型)の違い
テレビCMとネット広告は特徴が異なります。ネット広告の中でも、運用型広告と比較してみましょう。
運用型広告とは、広告主がターゲットや予算、クリエイティブ(配信内容)を自由に変更し、効果を高めることができるネット広告です。
【初心者向け】運用型広告とは?仕組みや種類、成果を出すためのポイントを解説!
テレビCM | ネット広告 | |
リーチできるユーザー数 | 幅広いユーザーにリーチできる | ピンポイントな配信に向いている |
ターゲティング | 基本的にターゲットを絞れない (CMを見るすべてのユーザーに配信される) |
性別や年齢、地域、興味関心など細かくターゲットを絞れる |
効果測定 | 効果測定が難しい | 様々なデータから効果測定が可能 |
料金体系 | 広告枠の買い取り | クリックなどのアクションごとに課金 |
●リーチできるユーザー数
若者を中心に「テレビ離れ」が進んでいると言われているものの、テレビCMは幅広いユーザーにリーチすることができます。
一方でネット広告は、幅広いユーザーに配信するよりはピンポイントにターゲットを絞った配信に向いています。
●ターゲティング
テレビCMは、CMを見るすべてのユーザーに配信されるので基本的に配信ターゲットを絞ることはできません。
しかしネット広告は、ユーザーの属性や興味関心、サイトへの訪問履歴など様々なデータを組み合わせて細かくターゲットを絞ることができます。
●効果測定
テレビCMは、その広告が商品購入にどの程度つながったか?という効果測定が難しいことが多いです。
一方でネット広告は、広告の表示回数やクリック数、広告経由での購入数などさまざまなデータをリアルタイムで知ることができます。
データを見て、悪いクリエイティブを止めたりターゲットを変更したりと、改善が効くのもネット広告の特徴です。
●料金体系
テレビCMは、一般的に広告枠を買い取る(放映枠当たり●万円)形式が主流です。
ネット広告、なかでも運用型広告は、広告の閲覧やクリックといった「ユーザーのアクションごとに●円」という課金体系になっています。
2.テレビCMとネット広告を組み合わせるメリット
特徴が異なるテレビCMとネット広告ですが、組み合わせることでさまざまなメリットが生まれます。
2-1.テレビCMを見ない層にもリーチできる
先述しましたが、若年層を中心に「テレビ離れ」が進んでいます。
NHK放送文化研究所の調査によると、10-20代で平日にテレビを見るユーザーの割合はインターネットを利用するユーザーの割合よりも低いです。
(引用元:NHK放送文化研究所「国民生活時間調査2020」)
若年層に商品・サービスを知ってほしい場合は、ネット広告を併用することでテレビを視聴しないユーザーにも広告を届けることができます。
(ニールセン2019年5月29日メルマガ「クロスプラットフォーム計測がもたらす価値とは」内データを基に作成)
2-2.実際の行動につながりやすい
ユーザーの多くは、商品やサービスを購入する前に検索エンジンやSNSで情報収集しています。
テレビCMの場合、その商品が気になったとしてもスマホやPCが手元にない状態だと調べることができず、スルーされてしまいます。
一方でネット広告は、商品が気になったら広告をクリックしてすぐに商品ページを見ることができます。
テレビCMとネット広告を組み合わせると、ネット広告が流れてきたときに「CMで見たことがある!」とクリックしてもらいやすくなることが期待できます。
2-3.インターネット上での拡散が期待できる
ネット広告の中でもSNS広告は、ユーザーによる拡散が期待できます。
例えば拡散性の高いTwitterでは、広告ツイート⾃体のクリックには課⾦が発⽣しますが、リツイートされた先でクリックされた場合は課⾦対象外となります。
ユーザーの関心を引くクリエイティブを作ることで、広告費以上の効果を生むこともあります。
3.テレビCM素材を活かせるネット広告
テレビCM用の素材を活かせるネット広告はたくさんあります。
3-1.YouTube広告
YouTubeは、月間アクティブユーザー数6500万人以上(2020年9月時点)を誇る動画投稿・再生プラットフォームです。
(引用元:YouTube広告公式サイト)
広告メニューが豊富で、動画の秒数やスキップ可/不可によってメニューが分かれています。
16:9の横長フォーマットが基本なので、クリエイティブサイズを大幅に変更しなくてもCM素材を活かしやすいです。
Google広告公式ヘルプ:動画広告フォーマットの概要
最近は、YouTubeをテレビ画面で視聴するユーザーが増加しています。
家族やパートナーとリビングで視聴する、という環境はテレビCMと近いです。
テレビCMがYouTube広告として流れてきても違和感なく受け入れてもらえやすいといえます。
(引用元:Think with Google「月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に」)
さらに、スキップ可能な広告メニューの中には「広告が視聴された場合にのみ課金する」形態を選ぶこともできます。
3-2.SNS広告
SNSの利用者数は増加し続けています。
メインとなるのは、Instagram、Twitter、Facebook、LINE、TikTokといった媒体です。
SNS広告は、他のユーザーの投稿と混じって配信されるので広告感が薄まる傾向にあります。
さらに、SNSの一番の特徴は「拡散性」。ユーザーにとって「面白い!」「役立った!」と興味を持ってもらえると、自然と広告が拡散されることがあります。
ただし、SNSサービスや配信面によって最適な動画フォーマット(サイズ・秒数)が異なります。
テレビCM素材を活かす場合は、適切なフォーマットに再加工すると広告効果が高まると期待できます。
動画広告は何種類?YouTubeやSNS動画広告のメリット、活用事例も紹介
3-3.TVerへの動画広告
TVerとは、民放テレビ局がひとつにまとまった番組配信プラットフォーム。
最新ドラマやバラエティ番組など、民放各局の約350以上の番組を無料で視聴することができます。
アプリダウンロード数は3,500万を突破(2021年2月時点)し、月間再生回数は1億回以上。
ユーザー数・再生数ともに着実に伸びている注目のプラットフォームです。
(引用元:TVer公式サイト)
TVerにも動画広告を出稿することができます。
TVerでの動画広告は、番組視聴を目的とした能動的なユーザーに動画広告が流れます。
そのため、広告の完全視聴率がどのデバイスでも90%以上と非常に高く、商品やサービスをしっかり覚えてもらうことができます。
また、地上波で放映されるための厳しい放映基準を通過した、良質なコンテンツのみが配信されるので安心です。
TVerに動画広告を出すには?メリット・費用・出稿フローをネット広告代理店が解説!
3-4.ABEMAへの動画広告
「ABEMA(アベマ)」とは、株式会社AbemaTVが運営するインターネットテレビサービス。
特徴は、恋愛番組やバラエティなどの多彩なオリジナルコンテンツです。
若年層を中心に人気で、2021年6月期の最高WAU(1週間あたりの利用者数)は1,449万人にも及びます。
ABEMAに広告を出稿できるのが「ABEMA Ads」。
18-34歳が全ユーザーの半数以上を占めているため、若年層へ商品・サービスの認知を高めたい!という場合にピッタリな広告サービスです。
また、TVer同様広告の平均視聴完了率が約90%と高いのも魅力。
広告メニューは、①予約型配信、②運用型配信、③人気番組との連動企画の3種類(2021年7-9月期媒体資料より)。
予算や目的に合わせて広告メニューを選びましょう。
4.ネット広告と相乗効果を生むための4つのポイント
4-1.クリエイティブは媒体ごとに適切なサイズ・尺に
動画形式のネット広告には、テレビCM素材をそのまま使用できることも多いです。
ただし、広告媒体によって適切なサイズ・尺に合わせて修正した方が広告効果を高めることができます。
例えばInstagram広告は、①1:1のスクエアサイズ(フィード用)と②9:16の縦長サイズ(ストーリーズ用)を用意すべきです。
また、動画の尺についてはフィード・ストーリーズともに15秒以内が望ましいです。
媒体に応じて最適なサイズ・尺は異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
4-2.冒頭3秒でユーザーを引き付ける
動画が最初から最後まで放映されるテレビCMと異なり、ネット広告の多くは途中でスキップできます。
そのため、冒頭3秒までの内容がユーザーの興味を引くかどうかのカギになります。冒頭のシーンで訴求ポイントを必ず盛り込みましょう。
4-3.BGMやナレーションがなくても伝わりやすい内容
ネット広告のなかでもSNS広告は、音声オフ状態で視聴されることが多いです。
また、Facebook社の調査から下記のデータも判明しています。
80%の人は、フィード内の動画広告がいきなり音を鳴らし始めると媒体と広告主の両方に対して否定的な感情を抱きます
例えばテレビCM素材でBGM・ナレーションを使用している場合は、BGMをオフにしテロップを加えるとよいでしょう。
4-4.成果獲得目的の広告も併用する
テレビCMの多くは「商品の認知拡大」を目的に配信されています。
しかし購入や申し込みなど「アクションにつながりやすい」というネット広告の特徴を生かすには、「成果獲得」を目的とした広告も配信しましょう。
分かりやすい例では、検索エンジンの検索結果上に表示される「リスティング広告(検索連動型広告)」。
自ら積極的に情報収集しているユーザーに向けて広告を配信できます。
テレビCMや動画形式のネット広告で「認知拡大」を狙いつつ、商品・サービスにマッチした検索キーワードに広告を出稿して「成果獲得」も狙うことで、相乗効果が期待できます。
5.まとめ:テレビCMとネット広告を併用して広告効果を高めよう!
得意分野の異なる「テレビCM」と「ネット広告」を組み合わせることで、広告効果がより高まることが期待できます。
- ネット広告も並行配信することでテレビを見ない層にもリーチできる
- テレビCM素材をネット広告でも使用する場合は、フォーマットや音声などに注意が必要
- テレビCMによる認知拡大+ネット広告による成果獲得で相乗効果が期待できる
しかし、ネット広告(特に運用型広告)については、専門知識が必要。「ターゲティングは適切なの?」「意外と成果が出ない…」とお悩みの方も多いです。
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