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レスポンシブ検索広告とは?拡張テキスト広告との違い・成果を高めるコツ【丁寧に解説】

公開: 更新: インターネット広告

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レスポンシブ検索広告は、リスティング広告(検索連動型広告)の一種。見出し・説明文が自動で組み合わされる広告タイプです。広告運用の自動化が進む中、Google広告・Yahoo!広告で今後主流となる広告です。

今回のコラムでご紹介するのはこちら。

  • レスポンシブ検索広告とは?基本情報
  • 拡張テキスト広告(Yahoo!広告では”拡大テキスト広告”)との違い
  • レスポンシブ検索広告の配信方法
  • レスポンシブ検索広告で成果を出すコツ

初心者の方でも分かりやすいよう、丁寧に解説します。

ユニークワンはGoogle広告・Yahoo!広告の正規パートナーとして、多くのお客様の広告運用を支援してまいりました。ご相談・お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ!

 

1.レスポンシブ検索広告とは?

まずは「レスポンシブ検索広告」の基本的な内容を説明します。

1-1.見出し・説明文を自動で組み合わせる広告タイプ

レスポンシブ検索広告とは、リスティング広告(検索連動型広告)で配信できる広告タイプの一種。

一番の特徴は見出し・説明文が自動で組み合わされて配信される点です。Google広告・Yahoo!広告ともに、最大15個の見出し・4個の説明文を入稿できます。その中から最大3つの見出し・2つの説明文が選ばれて配信されます。

1-2.「拡張テキスト広告」から「レスポンシブ検索広告」へ

レスポンシブ検索広告を説明するうえで欠かせないのは「拡張テキスト広告(Yahoo!広告では”拡大テキスト広告”)」。従来は「拡張テキスト広告」が主流でした。見出し3つ・説明文2つのセットを全て手動で設定する広告タイプです。

しかし、機械学習を活用した自動化の流れは運用型広告全般に大きな変化をもたらしました。

例えば2021年にローンチした「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」は最たる例といえます。検索結果やディスプレイ、YouTubeなどあらゆる配信面で、クリエイティブや配信ターゲットが自動的に最適化されるキャンペーンです。

【初心者向け】Google広告の”P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン”とは?注意点や設定方法も解説!

「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」とは、2021年にGoogle広告で新しくスタートした広告プロダクト。このコラムではP-MAXキャンペーンの特徴や向いているシーン、配信方法、注意点を解説します。

入稿した見出し・説明文から自動的に組み合わされる「レスポンシブ検索広告」も、この流れを受けているといえます。

実際、Google広告・Yahoo!広告ともに「拡張テキスト広告」から「レスポンシブ検索広告」への移行が進んでいます。

Google広告では2022年6月30日以降、拡張テキスト広告の新規作成および編集は不可となっています。ただし、既存の拡張テキスト広告は配信継続しており、一時停止や再開、削除等は可能です。

※参考:拡張テキスト広告について|Google広告ヘルプ

Yahoo!広告では2022年9月28日以降、拡大テキスト広告の新規入稿が終了になるとアナウンスがありました。ただしこちらも、終了以前に入港した拡大テキスト広告の配信は可能で、オン/オフの調整もできます。

参考:【検索広告】レスポンシブ検索広告の機能追加と拡大テキスト広告およびデータ自動挿入リストの入稿終了について – Yahoo!広告

今後リスティング広告で成果を出すには、レスポンシブ検索広告の特徴を掴んだ運用が不可欠になります。

 

2.レスポンシブ検索広告のメリット

レスポンシブ検索広告の良い点は3つあります。

2-1.検索語句と関連性の高い見出し・説明文を自動で組み合わせてくれる

レスポンシブ検索広告は見出しを15個・説明文を4個まで登録できます。この結果、1つの広告で様々な検索語句に対応できます。

拡張テキスト広告は、キーワードごとに見出し・説明文の組み合わせを一つずつ考え、成果を検証する必要がありました。しかしレスポンシブ検索広告を活用することで、少ない負担で効率よく運用することができます。

2-2.デバイスの幅に応じた広告が表示される

レスポンシブ検索広告では、広告が表示されるデバイスの幅に応じて適切な広告が作成されます。

デバイスの幅に適応した柔軟な広告が作成されるため、より広いスペースを使ってユーザーにメッセージを伝えることができます。
(引用元:レスポンシブ検索広告について – Google 広告 ヘルプ

ユーザーが使用するデバイスに応じて見出し・説明文のテキスト量が調整されます。その結果、ユーザーにとって見やすい形で検索広告が表示されると考えられます。

2-3.オークションでの競争力が高まり成果につながりやすい

リスティング広告の掲載順位は「広告ランク(Yahoo!広告では”オークションランク”)」によって決まります。

広告ランクに影響を与える要素の一つが、広告文と検索語句の関連性。ユーザーが検索したキーワードと広告見出し・説明文の関連性が高いと判断されると、上位に表示される可能性が高まります。

キーワードに対して手動で見出しを設定する「拡張テキスト広告」に比べて、レスポンシブ検索広告ではより多くの選択肢の中から適切な見出し・説明文が選ばれます。結果として、拡張テキスト広告では獲得できなかったクリックやコンバージョンを獲得でき、パフォーマンスが改善されやすいと考えられます。

レスポンシブ検索広告によってオークションでの競争力が高まるため、既存のテキスト広告で獲得できていないクリックやコンバージョンを獲得して、広告グループのパフォーマンスを改善することが可能です。
(引用元:レスポンシブ検索広告について – Google 広告 ヘルプ

 

3.レスポンシブ検索広告の配信方法

レスポンシブ検索広告の配信方法を、画像付きで解説します。今回は、Google広告の手順をご紹介します。

3-1.キャンペーンの作成

Google広告の管理画面で「検索キャンペーン」を作成します。

サイドバーの「キャンペーン」タブをクリックし、左上の「+(プラス)」ボタンをクリックします。プルダウンの中から「新しいキャンペーンを作成」を選択しましょう。

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次に、キャンペーン目標・キャンペーンタイプを選択します。

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今回は、後ほど設定をカスタマイズしやすいよう「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選択します。キャンペーンタイプは「検索」を選び、続行。

次に、検索キャンペーンで獲得したいコンバージョンを選択します。例えば「資料請求」であれば、資料請求数が増えるようにオークションの最適化が進みます。

すると「単価設定」の画面に移ります。

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重視する要素としては、コンバージョン(数)/コンバージョン値/クリック数/インプレッションシェア から選べます。目的に応じた指標を選択しましょう。目標コンバージョン単価を設定することもできます。

単価設定が終わると、キャンペーン設定に進みます。

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ネットワーク 広告が表示されるネットワークを選択します。
検索結果に表示させるためには「検索ネットワーク」のみ選択しましょう。
地域 検索広告を配信するエリアを設定します。
エリア名だけでなく半径指定も可能です。
言語 ユーザーの言語を選択します。
オーディエンスセグメント 興味関心などでターゲティングできます。
通常は「モニタリング(キャンペーンのリーチを絞らない)」で設定することが多いです。
その他の設定 広告の配信期間やスケジュールなどを指定します。

3-2.広告グループ(キーワード)・レスポンシブ検索広告の作成

次に、広告グループとレスポンシブ検索広告を設定します。

広告グループでは、広告を表示させるキーワードを設定します。

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ちなみにキーワードの設定方法は3種類。

部分一致 キーワードに関連する内容の検索が広告の表示対象となります。
(例)東京 結婚式場 →「表参道 婚約指輪」でも表示される
フレーズ一致 キーワードと同じ意味を含む検索語句に対して広告が表示されます。
(例)”東京 結婚式場” →「渋谷 披露宴会場 おすすめ」でも表示される
完全一致 キーワードと同じ意味をもつ検索語句に対して広告が表示されます。
(例)[東京 結婚式場] →「東京 ウェディング会場」で表示される

表示回数多い順は、部分一致>フレーズ一致>完全一致です。ただし、キーワードへの一致率完全一致>フレーズ一致>部分一致 となります。

次に、レスポンシブ検索広告を入稿します。

設定するのは、最終ページURL/表示URLパス/見出し(最大15個)/説明文(最大4個)

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最終ページURL 広告をクリックすると遷移するページのURLを指定
表示URLのパス 広告に表示されるURLのパスを指定
広告見出し 最小3個・最大15個まで設定可。ここから最適な見出しが最大3つ表示される。
一つ当たりの文字数は全角 15 文字(半角 30 文字)以内。
説明文 最小2個・最大4個まで設定可。ここから最適な説明文が最大2つ表示される。
一つ当たりの文字数は全角 45 文字(半角 90 文字)以内。

広告見出し・説明文はバリエーション豊かに、なるべく多く入稿しましょう。

また、広告見出し・説明文に使用できない記号などもあります。詳細はGoogle広告ポリシーをご覧ください。

編集 – Google 広告ポリシー ヘルプ

3-3.審査完了次第、配信開始

入稿が完了すると、Google広告側で審査が入ります。広告の審査とは、Googleが設けているポリシーに違反していないかチェックされることを指します。

審査は通常1営業日以内に完了しますが、場合によってはさらに時間がかかることがあります。2営業日を過ぎても審査が終わらない場合は、Googleに問い合わせしましょう。

審査のチェックポイントや「審査落ち」した場合の対処法については、こちらのコラムをご覧ください。

Web広告「審査」の基本|Google広告・Yahoo!広告の審査基準・落ちた場合の対処法

Web広告を配信するには「広告審査」を通過する必要があります。このコラムでは、審査広告の仕組みや審査期間、審査に落ちないために気を付けるポイントについて解説します。

 

4.レスポンシブ検索広告で便利な4つの機能

ここからは、レスポンシブ検索広告で便利な機能を4つご紹介します。必須ではないですが、商材によってはパフォーマンスが改善される可能性もあります。使えそうな場合はぜひ試してみてください。

これから紹介する機能はGoogle広告・Yahoo!広告ともに使用できます。ただし、利用手順などが異なる場合があるので、詳細は公式ページをご覧ください。

4-1.見出し・説明文の固定

特定の広告見出しや説明文の表示位置を固定することができます。

例えば「見出し1の場所には必ず見出しAを出したい」と決まっている場合は、その見出しを見出し1に固定します。「見出し1には見出しA~Cの3つのうちどれかが表示されるようにしたい」という場合は、3つの見出しA~Cをすべて見出し1に固定します。

固定_見出し・説明文

ただし、固定機能は使いすぎないようにしましょう。固定する見出し・説明文が多すぎると、表示される組み合わせのパターンが減ってしまいます。「検索キーワードに合わせて最適な組み合わせが表示される」というレスポンシブ検索広告の強みが活きなくなるのです。

固定表示機能を使う場合は、最低限の固定にとどめておきましょう。

4-2.地域の挿入

広告見出し・説明文に所在地などの「地域名」を挿入できる機能もあります。

たとえば新潟市で宿泊場所を探しているユーザーに「新潟市のホテル」といった地域名を含む見出しや説明文を表示させることができます。ユーザの所在地などに合わせて、地域名は自動でカスタマイズされます。

表示する地域のレベルは市区町村・都道府県・国単位で設定可能です。詳細は下記公式ヘルプをご覧ください。

・Google広告:レスポンシブ検索広告の地域の挿入機能について – Google 広告 ヘルプ
・Yahoo!広告:地域情報の自動挿入 – ヘルプ – Yahoo!広告

4-3.キーワードの挿入

ユーザーが検索したキーワードを見出し・説明文に挿入できます(拡張テキスト広告にもこの機能はありました)。

検索キーワードの一部が見出し・説明文へ追加されるため「広告文と検索語句の関連性」を高めることができます。

キーワード挿入は、見出し・説明文ごとの文字数上限に注意する必要があります。また、キーワードが入ったときに意味が通じる内容にしましょう。

詳細は下記公式ヘルプをご覧ください。

・Google広告:広告文のキーワードの挿入機能について – Google 広告 ヘルプ
・Yahoo!広告:キーワードの自動挿入の設定方法 – ヘルプ – Yahoo!広告

4-4.カウントダウン

“【あと●日】15%OFFクーポン”など、期間限定感のある見出しは目を引きますよね。

セールやイベントなどの残り日数・残り時間を見出し・説明文にリアルタイムで反映することができます。詳細手順は下記をご覧ください。

・Google広告:カウントダウンでイベントへの期待を高める – Google 広告 ヘルプ
・Yahoo!広告:カウントダウン関数(レスポンシブ検索広告用) – ヘルプ – Yahoo!広告

 

5.レスポンシブ検索広告で成果を高める5つのコツ

ここからは、レスポンシブ検索広告で成果をあげるためのコツを5つお伝えします。

5-1.見出し・説明文は多くのパターンを用意する

レスポンシブ検索広告で成果を上げるには「独自性のある見出しをできるだけ多く指定するように」とGoogle広告では推奨しています。

独自性のある広告見出しを、できるだけ多く指定するようにしてください。広告見出しの数が多いほど、メッセージを組み合わせて的確な広告を自動生成するための選択肢が増え、掲載結果の向上につながります。
(引用元:レスポンシブ検索広告について – Google 広告 ヘルプ

Yahoo!広告においても「タイトルは5件以上」の入稿が推奨されています。

できるだけ多くのアセットを入稿してください(タイトルは5件以上を推奨)。それにより、効果的に最適化されます。
(引用元:レスポンシブ検索広告とは – ヘルプ – Yahoo!広告

さまざまな切り口の見出し・説明文をなるべく多く用意することで、表示されるパターンも増えます。レスポンシブ検索広告の強みを最大限生かせるよう、上限数まで入稿したいところです。

5-2.広告グループごとに1つのレスポンシブ検索広告を設定

Google広告・Yahoo!広告ともに、1つの広告グループにつき1つのレスポンシブ検索広告の入稿を推奨しています。

レスポンシブ検索広告を複数入稿することも可能ですが、予算が分割され機械学習が十分に進まないことも考えられます。基本的には、広告グループごとに1つの広告とするとよいです。

5-3.広告の有効性を「良」か「優良」にする

Google広告のレスポンシブ検索広告作成画面では「広告の有効性」という項目があります。Googleの推奨設定に広告クリエイティブがどの程度基づいているかを示すものです。

広告の有効性

広告の有効性は「未完了」「低い」「平均的」「高い」「非常に高い」の5段階で評価されます。ここの項目を見ることで、広告の有効性を高めるために実施すべきことを確認することができます。

ちなみに「広告の有効性」の評価が掲載結果に直結するわけではありません

広告の有効性の評価は、配信の要件には影響しません。むしろ、広告の有効性の評価を活用して広告を改善し、掲載結果を最適化することができます。

(引用元:レスポンシブ検索広告に関する広告の有効性について – Google 広告 ヘルプ

ただし、広告の有効性の評価を活用して改善することで、結果としてパフォーマンスが向上する可能性はあります。広告の有効性が少なくとも「非常に高い」または「高い」となるように見出し・説明文などを考えましょう。

5-4.広告表示オプションを導入する

リスティング広告の表示順位を決める「広告ランク」。Google広告では「広告表示オプション」が広告ランクに影響する要素のひとつです。

広告表示オプションは、リスティング広告の広告文に加えて様々な情報を訴求できるオプション

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電話番号やサイトリンク、画像など様々なオプションがあります。広告表示オプションの設定は必須ではないですが、ユーザーのアクションを促すことができるのでぜひ設定しましょう。

広告表示オプションについては、こちらの記事もご覧ください!

広告表示オプションをやさしく解説!設定必須の4項目・成果の確認方法

広告表示オプションを設定すると、リスティング広告の成果を高めることにつながります。このコラムでは、広告表示オプションの効果的な設定方法や成果の確認方法を解説します。

5-5.アセット単位の評価を見て改善する

Google広告・Yahoo!広告ともに、各見出し・説明文の配信パフォーマンスを確認することが可能です。どちらもアセットごとに「表示回数(Yahoo!広告では”掲載回数”」と「パフォーマンス(Yahoo!広告では”掲載評価”)」を確認することができます。

レスポンシブ検索広告_パフォーマンス

ちなみに、各アセットごとのパフォーマンスが表示されるには、そのレスポンシブ検索広告が30日間で約5,000回以上表示されることが必要です。予算・キーワードによっては表示されないこともあるので留意してください。

評価の低い見出し・説明文は入れ替えることを推奨します。アセット別の評価については、公式ページも併せてご覧ください。

・Google広告:レスポンシブ検索広告のアセット レポートについて – Google 広告 ヘルプ
・Yahoo!広告:レスポンシブ検索広告アセットレポート – ヘルプ – Yahoo!広告

 

6.まとめ:レスポンシブ検索広告を駆使して成果を高めよう

レスポンシブ検索広告について解説してきました。

  • 見出し15個・説明文4個を入稿すると自動で最適な組み合わせが表示される
  • 拡張テキスト広告からレスポンシブ検索広告が主流になっている
  • 多くのバリエーションを入稿し入札機会を増やす必要がある
  • アセットの評価を見て改善していくべし

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