SWOT分析とは?意味や具体例、簡単に分析するやり方やメリット・デメリットまで丁寧に解説!
PEST(ペスト)分析とは、フレームワークの一つで外部環境分析の代表的なものです。主に事業戦略を考える時に使用されます。
PEST分析という言葉はよく聞きます。でも「名前を聞いたことはあるがやり方や意味がよくわからない」という方が多いのではないでしょうか。
PEST分析はやり方やコツをつかめば、誰でもできるフレームワークです。
今回はPEST分析について下記を解説します。
- PEST分析の意味
- PEST分析を行う目的
- PEST分析のやり方とコツ
- PEST分析の例
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目次
1.PEST分析とは?
まずはPEST分析について、概要を説明します。
1-1.PEST分析とはフレームワークの一つ
PEST分析はフレームワークの一つです。フレームワークとはマーケティングにおいて問題を解決するための枠組みや手法を意味します。
フレームワークには様々な種類や分類方法があり、内部環境分析と外部環境分析に分けて考えることができます。
内部環境分析は自社のリソースを分析するものです。SWOT分析や3C分析の中の「Company(自社)」がこれにあたります。
※SWOT分析に関しては下記のコラムも参照ください
SWOT分析とは?意味や具体例、簡単に分析するやり方やメリット・デメリットまで丁寧に解説!
SWOT(スウォット)分析とは、マーケティングで行われる分析方法の一つです。自社の現状を把握する時に用いられる分析フォーマット(フレームワーク)のことです。
反対に外部環境分析は自社の外部の環境を分析するものです。今回のPEST分析や3C分析の中の「Customer(市場・顧客)」や「Competitor(競合)」がこれにあたります。
PEST分析は外部環境分析の中でも代表的なフレームワークです。
外部環境分析は、さらにミクロ環境分析とマクロ環境分析に分けられます。ミクロ環境分析は市場や競合他社など、自社で多少の改善等が可能な環境の分析、マクロ環境分析は政治や経済状況など自社で改善や統制ができない環境の分析のことです。
今回のPEST分析はマクロ環境分析になります。
PEST分析はマクロ環境における「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の頭文字を取って名づけられています。
上記の4つを分析することがPEST分析となります。
1-2.Politics(政治)
PEST分析「P」は「Politics(政治)」を意味します。国際情勢、政策、税、法規制など政治に関する影響のことです。
1-3.Economics(経済)
「E」は「Economics(経済)」を意味します。景気(インフレ・デフレ)、金利、経済成長率、失業率など経済に関する影響のことです。
1-4.Society(社会)
「S」は「Society(社会)」を意味します。流行、宗教、文化など社会に関する影響のことです。
1-5.Technology(技術)
「T」はTechnology(技術)」を意味します。AI、技術の革新、特許など技術に関する影響のことです。
PEST分析では、上記の4つの影響が自社商品やサービスにどのような影響を与えるのかを分析していきます。
2.PEST分析を行う目的
なぜPEST分析のような企業ではコントロールできない外部環境の分析を行うのでしょうか。それには下記のような理由があります。
2-1.戦略の方向性が明確になる
PEST分析を行うことで、政治・経済・社会・技術と広い視点から企業の状況を見られるようになります。
特に経済や社会からはエンドユーザーの動向を把握できるようになります。自社商品やサービスの開発の参考になり、戦略の方向性を明確にできます。
2-2.世の中の変化や流れに合わせて戦略を立てられる
PEST分析で外部環境を知ることにより、世の中の変化や流れを知ることができます。変化や流れにあった自社商品やサービスの戦略を立てられるようになります。
2-3.他のフレームワークにも活用できる
フレームワークはPEST分析だけではありません。戦略を立てる時に使用するフレームワークはたくさんあります。PEST分析以外のフレームワークをする時にもPESTは活用できます。
例えば、SWOT分析には外部環境の項目があります。先にPEST分析を行っていれば、その結果をSWOT分析に使うことができます。
3.PEST分析のやり方とコツ
ここからはPEST分析のやり方とコツをご紹介します。
3-1.情報を収集する
まずは自社商品やサービスに関する4つの要素、「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の情報を収集します。
収集する時はなるべく正確な情報を集めるのがコツです。ネットやSNSに流れている情報の全てを鵜呑みにせず、公的機関で集められた情報や専門機関が行った調査などを参考にしましょう。
3-2.PESTの4つに分類する
次に集めた情報を「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」ごとに分類しましょう。
分類した情報は事実と解釈にわけていきます。PEST分析では事実のみを元に分析します。いくら公的や専門機関の情報でも、事実に基づいて「〇〇だろう」と解釈したものは省いて分析しましょう。
3-3.事実を機会と脅威に分類する
事実は機会と脅威に分類していきます。
機会は自社商品やサービスにとってのチャンス、反対に脅威はデメリットやリスクです。
この分類で気を付けてほしいのは、競合他社では機会になっても自社では脅威に、自社では機会になっても競合他社では脅威になることです。
あくまでも、その機会や脅威が自社ではどういう影響を与えるかをよく考えましょう。
3-4.短期的・長期的か分類する
最後にその機会と脅威がすぐに起こることなのか(短期的)、遠い未来に起こることなのか(長期的)を分析します。
短期と長期に分類することにより、戦略に対して優先順位をつけやすくなります。
4.PEST分析の例
ここからはPEST分析の例を紹介します。
4-1.コンビニエンスストア業界の分析例
Politics(政治)
・政府の規制や税制変更が業界に影響を与える可能性があります。例えば、タバコやアルコールの税金の変更が店舗の売上に影響を与える場合があります。
・健康食品やオーガニック製品の需要増加に伴い、政府の食品表示や品質規制の強化がコンビニエンスストア業界に影響を与える可能性があります。
Economics(経済)
・消費者の所得水準や消費行動の変化が業界に影響を与える可能性があります。景気後退時には、消費者がコンビニの店舗での買い物を控えることが考えられます。
・為替レートの変動が輸入品の価格がコンビニエンスストア業界に影響を与えることがあり、コストや価格競争力にも影響を及ぼす可能性があります。
Society(社会)
・人々のライフスタイルや価値観の変化に合わせて、商品ラインやサービスの提供方法を調整する必要があります。例えば、健康志向の高まりに対応して、健康食品や低カロリー商品の取り扱いを増やすことが求められます。
・24時間営業やコンビニの利便性に対する需要が増加しているため、これに合わせた店舗の配置やサービスの充実が求められます。
Technology(技術)
・デジタル決済技術やモバイルアプリの導入が、顧客の利便性向上や販売データの分析に役立つ可能性があります。
・オムニチャネル戦略(店舗・ECサイトなどユーザーがあらゆるチャネルで購買体験できるようにする戦略)の強化が、オンライン注文や配送サービスの競争力を高めることができます。
上記を踏まえると、コンビニエンスストア業界は下記のように分析できます。
政府規制や税制変更に対応するために、コンビニエンスストア業界全体が連携し、政策提言やロビー活動(自社商品やサービスを有利にするために政府等に働きかけること)を行うことが重要です。また、規制順守のための内部コンプライアンス体制の強化が必要です。
経済(Economic)
消費者の所得水準や消費行動の変化に柔軟に対応するために、価格戦略の見直しやプロモーション活動の充実が必要です。また、効率化やコスト削減による業績向上を図ることも重要です。
社会(Social)
健康志向の高まりに対応するために、健康食品や低カロリー商品のラインナップを拡充し、消費者ニーズに応えることが求められます。また、地域コミュニティとの連携やCSR活動を通じて、社会貢献活動を強化することが重要です。
技術(Technological)
デジタル決済技術やモバイルアプリの導入を加速させ、顧客の利便性向上とデータ分析能力の強化を図ることが重要です。また、オムニチャネル戦略の推進やテクノロジーの活用によって、競争力を高めることが必要です。
コンビニエンスストア業界は政治・経済・社会・技術の変化に適応し、顧客のニーズに柔軟に対応することが求められます。
そのためには、リスク管理やイノベーション、顧客中心の戦略の強化が重要です。また、業界全体での情報共有や協力体制の構築も必要です。
4-2.アパレル業界の分析例
・貿易政策や関税の変更が、アパレル製品の輸入・輸出に影響を与える可能性があります。
・労働法や環境規制の厳格化が、生産コストや労働条件に影響を及ぼす場合があります。
経済(Economic)
・消費者の所得水準や経済成長率の変化が、アパレル製品の需要に影響を与える可能性があります。
・為替レートの変動が、輸入素材や生産地のコストに影響を与える可能性があります。
社会(Social)
・ 人々のファッション意識や消費行動の変化が、アパレル製品のデザインや需要に影響を与える可能性があります。
・SDGsや倫理的な生産に対する消費者の関心が高まり、サステナブルなブランドが注目される可能性があります。
技術(Technological)
・デジタルマーケティングやソーシャルメディアの発展が、ブランドの宣伝や販売チャネルの多様化に影響を与える可能性があります。
・ファッションテック(テクノロジーを使ってファッション業界を活性させようとする動き)の進歩が、製品設計や生産プロセスの革新に貢献する可能性があります。
上記を踏まえると、アパレル業界は下記のように分析できます。
・貿易政策の変化に対応するために、生産地の多様化や供給チェーンの見直しを行い、リスクの分散を図ることが重要です。
・労働法や環境規制への適合を図るために、サプライチェーンの透明性を高め、サステナブルな生産体制を構築することが求められます。
経済(Economic)
・消費者の所得水準や経済成長率の変化に柔軟に対応するために、価格帯の幅広化やプロモーション戦略の見直しが必要です。
・生産コストの変動に対応するために、効率化や原材料の調達先の多様化を図り、コスト管理を強化することが重要です。
社会(Social)
・SEGsや倫理的な生産に対する消費者の関心に応えるために、サステナブルな製品ラインの拡充やCSR活動の強化が必要です。
・人々のファッション意識や消費行動の変化に柔軟に対応するために、市場調査やトレンド分析を行い、ニーズに合った製品を提供することが重要です。
技術(Technological)
・デジタルマーケティングやソーシャルメディアの活用を強化し、顧客とのコミュニケーションやブランドの認知度向上を図ることが重要です。
・ファッションテックの活用により、生産プロセスの効率化や製品の革新を推進することが必要です。
アパレル業界は環境変化に柔軟に対応し、サステナビリティ、顧客満足度、競争力強化などの観点から戦略を展開する必要があります。
SEGsと競争力の維持に向けて、市場動向の把握と迅速な対応が不可欠です。
5.まとめ:PEST分析を自社商品やサービスに活用しよう!
今回はPEST分析について解説しました。
- PEST分析とはフレームワークの一つ
- 「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つを分析する
- PEST分析には「戦略の方向性を明確にする」などの目的がある
- PEST分析には「正確な情報を集める」などのコツがある
PEST分析は企業の戦略設計等において、とても有効な方法です。ただそれだけで自社のマーケティングを行うことは難しいです。
分析方法には、今回ご紹介したPEST分析の他にもSWOT分析や3C分析や4P分析など、様々な方法があります。それぞれの分析には得意・不得意があるので、自社にあった分析方法を用いてマーケティングを行っていきましょう。
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