【入門編】ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違い・成果を上げる5つのポイント
「ABテスト」とは、ネット広告やランディングページ、Webサイトを改善する手法のひとつです。
しかし「とりあえずABテストをする」だけでは、成果につながりません。成果を挙げるには「目的を明確にして」「改善インパクトの大きい部分から」ABテストをすることがポイント。
今回のコラムでは、
- ABテストの目的やメリット
- ABテストのやり方
- ABテストで陥りがちな落とし穴
について解説していきます。「ABテストって何となくしか知らない」という方にも分かりやすく解説しますので、ご安心ください!
目次
1.ABテストとは?
ABテストは、WEBマーケティングにおける代表的な手法の一つ。
広告クリエイティブやランディングページなど、A・Bの2パターンを用意して「どちらがより良い成果を出せるのか」を検証するものです。
場合によっては3パターン以上の検証をするケースもあります。
1-1.ABテストの目的
ABテストを行う目的は「成果につながる勝ちパターン」を見つけることです。
Webサイト上の成果は大きく分けて「集客=いかにユーザーに訪問してもらうか」と「接客=いかにユーザーのニーズを満たすか」の2要素で決まります。
例えば「資料請求数の向上」を目的として広告配信を行う場合、
・クリックされやすいのはどの広告クリエイティブか?=集客の改善
・資料請求につながるLPのファーストビューは?=接客の改善
と、「集客」と「接客」で勝ちパターンを見つけるための1つの手法として「ABテスト」があります。
1-2.ABテストのメリット
Web施策でABテストを行うメリットは3つあります。
(1)定量的に仮説検証できる
一番のメリットは「ユーザーに刺さるプロモーションは何か?」という仮説検証を定量的に行えることです。
たとえば健康食品で「価格訴求(1ヵ月〇〇円!)」と「実績訴求(〇〇賞を受賞!)」、どちらがユーザーにとって引きがあるかを調べたいとします。
Web施策、とくにWeb広告では、クリック率やコンバージョン率など数値がはっきり出ます。「なんとなくの勘」ではなく客観的に測ることで、有効なプロモーション戦略を考えることができます。
(2)低コスト&スピーディにPDCAサイクルが回せる
Web施策のメリットは、低コストでスピーディに改善サイクルを回せること。
TVCMやチラシのようなマスメディアの場合、多くの人にリーチできますが、数十万~数百万のまとまった掲載費用が必要です。また、広告を掲出したあとに差し替えたくても難しいことが多いです。
一方でネット広告(運用型広告)の場合、数万円という少額から始めることができ、リアルタイムでデータを確認できます。そのため「成果が悪いものは停止して良いものに予算を割く」といった柔軟な対応もできるのです。広告クリエイティブの差し替えも、マスメディアに比べると簡単にできます。
また、Webサイトも同様にユーザーが最初に見るページ(ランディングページ)のファーストビューをテストするなど、PDCAを回すことでスピーディに改善できます。
(3)サイトリニューアルの方向性を事前に確認できる
Webサイトをリニューアルする場合、かなりの手間とコストがかかります。もし間違った方向性で進めてしまうと、企業にとってダメージが大きいです。
事前にABテストを実施して「ファーストビュー」や「フォームの内容」、「CTAボタンの位置」など重要な要素の勝ちパターンを見つけておくと、より成果につながるサイトへリニューアルできる可能性が高まります。
2.ABテストが行われるシーン|具体例で解説!
ABテストがよく行われるケースを、具体的に解説してきます。
2-1.ネット広告
まずは「ネット広告」。集客施策の一環として「どんな広告がクリックされやすいか?」「問い合わせが多いのはどのターゲットか?」など、さまざまな事項でABテストが可能です。
ネット広告においてABテストをよく行うのは、下記の3パターンです。
(1)広告見出し
広告見出しは、目につきやすい重要な要素。特にリスティング広告(検索連動型広告)ではクリック率を大きく左右する要素となります。
▼リスティング広告についてはこちらをご覧ください!
リスティング広告(検索連動型広告)とは?仕組み・特徴・注意点を解説!
「リスティング広告」は、検索画面の一番上に表示される広告。その仕組みと特徴を初心者向けに解説します。初心者にありがちな落とし穴なども紹介します。
リスティング広告の見出しは「見出し1つあたり全角15文字以内」で「3つ」の見出しを入れることができます。目につきやすい1つ目の見出しでABテストをすると、どんな文言がクリックされやすいか検証するとよいでしょう。
例えば「ボールペン字講座」で2つの訴求軸があれば、下記のように見出し1を変更してみるとよいでしょう。
・手間のかからなさを訴求:【1日5分で美しい字】
・費用が安いことを訴求:【月額1,980円・初期費0】
ちなみに、近年のGoogle検索広告では見出し・説明文が自動的に組み合わせて表示される「レスポンシブ検索広告」が主流となっています。手動でテストをしなくても、反応の良い見出しがどれかわかるので、ぜひ活用してみましょう。
(2)画像や動画
ディスプレイ広告やSNS広告では「画像」や「動画」といったリッチコンテンツが大きく影響します。
例えば「乾燥肌向け化粧水」でInstagram広告を配信する場合。
「商品単体の写真」か「人物が映ってる写真」を両方配信すると、どちらがクリックされやすいか検証できます。
(3)誘導先のページ
同じ広告でも誘導先のページを別にして、コンバージョン率を比べることもできます。
例えばリフォーム施工会社がリスティング広告で、「施工実績ページ」か「サービス紹介ページ」に誘導する広告でテストします。コンバージョン率が高いページはユーザーのニーズと一致していると考えられます。
2-2.ランディングページやWebサイト
ネット広告だけでなく、ランディングページやWebサイトでもABテストを実施します。サイトのABテストをよく行うのは、下記の3パターンです。
(1)ファーストビュー
サイトの第一印象となるのが「ファーストビュー」。パソコンだけではなくスマートフォン表示での映り方も必ず確認しましょう。
(2)CTA文言
CTA(=Call To Action)とは、「資料請求はこちら」「購入はこちら」などユーザーにアクションを促す部分のことです。その文言によって、コンバージョン率に差が出ることもあります。
例えば「英会話教室」のトップページで、「無料体験申込」のCTAボタンがあるとします。
CTAボタンで「ユーザーの背中を押す一言は何か?」を検証するために「1分で申込完了!(=手軽さの訴求)」「当日予約もOK!(=柔軟性の訴求)」でABテストをする、といった検証ができます。
(3)フォーム
コンバージョン率に影響を与える「フォーム」。
・入力項目の内容
・画面遷移の仕方(1ページ完結か複数ページに遷移するか)
代表的なテスト項目は上記になります。ユーザーにとって快適なフォームを追求していきましょう。
3.ABテストのやり方・4つのステップ
3-1.「何を改善する?」目的を整理する
まずは「何を改善するためのテストか?」という目的を明確にしましょう。
多くの場合、Web施策の最終的な目的は「コンバージョン」に関すること。たとえば通販サイトの場合、購入数を増やしたり、1回あたりの購入金額を高めることが目的だと思います。
ただ、コンバージョンまでに辿るまでの経路はさまざま。どんな流入経路で・どんなページを見てコンバージョンに至るか把握できていないと、どの数値を重点的に見ればいいか迷ってしまいます。
そこで、アクセス解析により「サイトに訪れたユーザーがどんな行動をとっているのか」を把握しましょう。
ポイントは「改善インパクトが多い箇所」から見ること。たとえば最初に見られているページが「トップページ=1万PV」「サービス詳細ページ=100PV」だとすると、改善インパクトが大きいのはトップページです。あたりを付けると「トップページの直帰率を下げる」「フォームへの遷移数を増やす」など、ABテストの指標がみえてきます。
3-2.仮説を立ててテストするポイントを決める
目的を決めたら、仮説を立てテストするポイントを具体的に決めましょう。手当たり次第にテストするのでなく「ユーザー目線」になって改善したほうがいいポイントを探します。
また、感覚だけに頼るのではなく「ヒートマップ」や「アクセス解析」のデータも見ながら有効な仮説を立てるのが重要です。
たとえば「痩身エステサロン」でディスプレイ広告を配信するといった場合、下記のような仮説が立てられます。
・「メニュー名」より「お客様のメリット(二の腕が〇cm減!)」を押し出したほうがクリックされる?
・ランディングページを見てすぐに「無料体験」のボタンがあれば体験申込が増える?
サービス提供者としての感覚は捨てて、あくまで「ユーザー目線」&「データを見ながら」有効な仮説を立てるのがポイントです。
3-3.ABテストを実行する
テストするポイントを決めたら、ABテストを実行します。
多くの指標を確認できますが、目的・仮説を見失わずシンプルに重要指標を追います。
ネット広告やWebサイトに関わる数値はたくさんあり、どの数値を見るべきか迷う方も多いです。が、仮説をしっかり立てていれば迷うことは少ないです。
先ほどの「痩身エステサロン」の例でディスプレイ広告の画像についてABテストをする場合、「クリック率」を見ればよいです。「よりクリックされる画像は?」という軸で検証したければ、クリック率を重要指標としましょう。
CTAボタンの文言別でどちらがコンバージョンにつながるかをテストする場合は「コンバージョン率」を見ましょう。
3-4.テスト結果を分析し改善に活かす
テストした結果を分析し、具体的な改善策を打ちます。
「ABテストを実施すること」自体に満足して、結果が出ても何もしないケースも見受けられますが、ABテストの結果を広告やランディングページにしっかり反映しましょう。
4.こんなテストは意味がない?ABテストで陥りがちな落とし穴
4-1.ABテスト自体が目的になってしまう
一番よくあるパターンが「ABテストをすること」自体が目的になってしまうパターン。
本来「資料請求のCV率が高いパターンを見つける」など目的があります。しかし、目的や検証したい仮説もなく「とりあえずABテストをしたい!」と考える方は意外と多いです。
目的がないままABテストをしても、その結果から何も生まれません。
また、目的をよく考えるとABテスト以外の手法が有効なことも。
たとえば「ユーザーに刺さる訴求軸を知りたい」場合は、広告のABテストよりもユーザーインタビューの方が有効かもしれません。
「どんな仮説を検証するためなのか」を明確化し、必要であればABテストに取り組みましょう。
4-2.2つ以上の要素でABテストしてしまう
ABテストというと色々な要素で比べたくなります。しかしABテストで比べる軸は「1つ」。
なぜなら、2つ以上の要素で比べてしまうと結果で差が出た時にどの要素が影響しているのか検証できないからです。
たとえばインスタ広告で「画像」と「キャプション」がそれぞれ違うとします。
仮にパターンAが良かった場合、画像やキャプションに差があったのか、はたまたクーポンの文言に差があったのか‥‥と
どの要素が効果的だったのか曖昧になってしまいます。
・「画像」は同じで「キャプション」でABテスト
・「キャプション」は同じで「画像」でABテスト
と、基本的には一つの要素以外は固定するのがおススメです。
ただし「訴求軸」別にABテストをしたい場合は、どうしても1つの要素では検証しきれない部分もあるでしょう。その場合は、画像や動画、キャプションのテイストはなるべく揃えて、有意な考察ができるようにしましょう。
4-3.ABテストのデータが少ない
せっかくABテストをしても、十分なデータ量がないと比較結果に意味がありません。
ネット広告の場合、検証期間が3日など短すぎると、信頼性に欠けるデータとなることが多いです。特に運用型広告の場合、配信して1-2週間は「機械学習」としてデータが安定しないことも。予算にもよりますが、1ヵ月分の配信データで比較するとよいでしょう。
4-4.異なる期間でABテストしてしまう
同じ期間で複数のパターンをテストするのが通常ですが「異なる期間でABテストをしたい」とご相談をいただくこともあります。
しかし、期間の異なるABテストはあまりおススメできません。なぜなら比較結果の差に「外部要因」というコントロールできない要素が絡んでくる可能性が出るためです。
政治経済の動きや天候といった環境だけでなく、時期が違うと競合のキャンペーン状況などが変わることも考えられます。特別な理由がない限りは、同じ期間でABテストをしましょう。
5.まとめ:ABテストをして成果改善に活かそう!
ABテストはWebマーケティング施策の中で人気な手法の一つです。
- 「何を検証したいのか」仮説をしっかり立てる
- ABテストの比較軸はひとつ
- テストして終わりではなく改善につなげる
やみくもにテストを行っても意味が無いので、仮説をしっかり立ててから施策に移っていきましょう。
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