Microsoft広告とは？広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説

マイクロソフト広告（Microsoft Advertising）とは、Microsoftの提供するサービスに広告を出稿できる仕組みです。2022年5月以降、日本でも利用可能となり注目を集めています。

最近スタートしたばかりの広告媒体なので、マイクロソフト広告の始め方や必要な準備が分からない方も多いはずです。

今回のコラムでは、下記を解説します。

• Microsoft広告の特徴・ターゲティング・配信面
• マイクロソフト広告の配信事例
• マイクロソフト広告の配信方法・必要な準備
• Microsoft広告で成果を高めるためのコツ

ユニークワンはネット広告専業代理店として、いち早くマイクロソフト広告の取り扱いをスタートしました。今回のコラムでは、配信事例も交えて丁寧に解説します。

Microsoft広告のご相談・お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ！

 

1.Microsoft広告（マイクロソフトアド）とは？

まずはMicrosoft広告について、概要をお伝えします。

1-1.Microsoftサービス上に広告を配信できる媒体

Microsoft広告（正式名称：Microsoft Advertising）とは、文字通り Microsoft の提供するサービスに広告を出稿できる広告媒体。

主な配信面としては「Bingの検索結果」や「Microsoft Edgeのスタートページ」があげられます。リスティング広告（検索連動型広告）はもちろん、オーディエンス広告やショッピング広告など、さまざまなタイプの広告を配信できます。

1-2.Google広告との違い

リスティング広告やディスプレイ広告など、さまざまな広告を配信できる媒体といえば「Google広告」。Microsoft 広告との共通点も多いですが、異なる点がいくつかあります。

（1）検索エンジンとしてのシェア

Microsoft が提供する検索エンジンといえば「bing」。日本における検索エンジンのシェアは、Googleが70％以上、Bingが15%程度となっています（2022年10月時点・パソコンでの検索データ）。

（引用元：Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats）

Microsoft広告は、配信ボリュームはGoogle広告より少ないかもしれません。しかし、ビジネスパーソン向けに広告を届けやすいというメリットがあります。

日本の企業ではWindowsが主流で使われています。Windowsの規定ブラウザ「Microsoft Edge」を利用する人が多いです。「Edge」では「bing」がデフォルトの検索エンジンとして設定されているので、仕事中のユーザーにもリーチしやすいのです。

（2）配信面

Google広告とMicrosoft広告は、配信面が異なります。それぞれの広告媒体のネットワークに入ってる媒体が異なるためです。

代表的なところでいうと、Google広告では YouTube や Gmail など、Google社のサービスへ広告を配信できます。一方Microsoft広告は、bing や Microsoft Outlook などに配信できます。

（3）ターゲティング

Google広告・Microsoft広告の両方で、ユーザー属性や興味関心、リマーケティングなど多様なターゲティングが可能です。

Google広告は「カスタムオーディエンス」というターゲティング手法が特徴的です。キーワードやURL、場所などを指定することで独自のオーディエンスを作成できます。

一方Microsoft 広告の特徴的なターゲティング方法は、「企業・業界・業種」によるターゲティング。これは「LinkedIn（リンクトイン）」というSNSのプロフィール情報に基づいています。

LinkedInは、アメリカで2003年よりリリースされたビジネス特化型のSNS。友人とつながる、というよりは同僚や上司、取引先の方などビジネス上の付き合いがあるユーザーとフォローしあうことが多いです。

そのため、プロフィールに学歴・職歴を詳しく設定するユーザーが多いのが特徴。このプロフィールを活かしてターゲティングできるのがMicrosoft広告です。

 

2.Microsoft広告のメリット

日本でスタートしたばかりのMicrosoft広告。マイクロソフトアドを配信するメリットを4つご紹介します。

2-1.ビジネスパーソンにアプローチしやすい

Microsoft広告は、ビジネスパーソンにアプローチしやすいのが大きなメリットです。

日本の企業では、WindowsOSが多く利用されています。Windowsの推奨ブラウザ「Microsof Edge」やメールソフト「Outlook」をそのまま利用するケースが多いです。

また、企業・業種・業界でターゲティングできるのもマイクロソフト広告の強み。特定の業界に特化した商材でも、マイクロソフト広告ならピンポイントに広告を配信できます。

2-2.購買能力の高いユーザーに広告を配信できる

Microsoft 広告のオーディエンスは、購買能力が高いと言われています。

Microsoft社の講演によると、マイクロソフト広告のオーディエンスは平均的なWebユーザーよりもオンラインで消費する可能性が15％高く、これは競合よりも高い数字とのことです。

背景には、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い「PCの復活」が起きているため。同講演によれば、PCの前で過ごす時間と頻度が増え、仕事とプライベートの間を行き来しながら限られた時間で両方のタスクをこなす人が増えているといいます。

消費者の51％が、勤務時間中に商品検索を行い、37％が仕事中に購入を行っていることも明らかになった。61％の人は仕事用のツールをプライベートな用途でも使っていると回答している。
（引用元：Microsoft 広告が日本で始動。トップが語る製品の魅力・投資戦略とは？ (2/3)：MarkeZine（マーケジン））

マイクロソフト広告を配信することで、ビジネス利用のブラウザで商品購入まで行う「購買意欲の高いユーザー」へアプローチしやすい傾向があります。

2-3.Google広告・Facebook広告の設定をインポートできる

Microsoft広告では、Google広告・Facebook広告の設定をインポートできます。ゼロから設定・入稿しなくても配信準備ができます。

2-4.さまざまな目的・配信フォーマットに対応

マイクロソフト広告は、リスティング広告はもちろん、「ショッピング広告」や画像とテキストを組み合わせた「オーディエンス広告」など、さまざまなフォーマットのクリエイティブを配信できます。

また、認知拡大から比較検討、コンバージョンまで様々な目的にも対応。商材やターゲットに合わせて、最適な戦略のもと魅力的なクリエイティブを配信することでより成果を高めることができます。

 

3.Microsoft広告の基本情報

マイクロソフト広告を配信する前に押さえておきたい基本情報を解説します。

3-1.キャンペーンの目的・種類

マイクロソフト広告では、さまざまな目的に応じた広告キャンペーンを作成できます。

種類	利用シーン
1.Webサイトの訪問	Webサイトへのトラフィックを増やしたい場合
2.事業所所在地にアクセスする	より多くの人に店舗・オフィス・イベントに訪れてほしい場合
3.Webサイトでのコンバージョン	Web サイト上でコンバージョンアクションを起こしてほしい場合
4.会社への電話	特定の電話番号への通話を増やしたい場合
5.アプリのインストール	モバイルアプリのインストールを促進したい場合
6.カタログからの商品販売	ECサイトの購入数を増やしたい場合
7.広告の表示回数	ブランドの認知度と知名度を高めたい場合。
8.ホテルの予約を増やす	ホテルへの宿泊予約を増やしたい場合

キャンペーンタイプによって、利用できる広告フォーマットが異なります。

3-2.ターゲティング

Microsoft広告では、多様なターゲティングが可能です。ここでは、代表的な広告タイプである「レスポンシブ検索広告」と「オーディエンス広告」の2つに絞ってターゲティングをご紹介します。

（1）レスポンシブ検索広告

検索広告では、キーワードターゲティングをメインに様々な設定ができます。

項目	詳細
キーワード	どのキーワードに広告を表示するか絞り込む
言語	広告を表示するサイトの言語
ユーザー属性	地域、性別、年齢で絞り込む
デバイス	ユーザーが使用するデバイス絞り込む

基本的には「キーワード」と「言語」での絞り込みを推奨します。商圏が特定エリアである場合を除き、ユーザー属性やデバイスで絞り込むのはお勧めしません。配信ボリュームが減少し、成果が得にくくなるためです。

（2）オーディエンス広告

オーディエンス広告では、ユーザーターゲティングのメニューが豊富に用意されています。

項目	詳細
地域	都道府県・市区町村指定が可能。半径指定も可能。
年齢	18-24歳／25-34歳／35-49歳／50-64歳／65歳以上／不明
性別	男性／女性／不明
オーディエンス	ユーザーの購買意欲やサイト上での行動からターゲティング
会社名・業界・職種	LinkedInプロフィールに基づいた会社・業界・職種のターゲティング

特徴的なのが、「会社名・業界・職種」のターゲティング。ビジネス特化型のSNS「LinkedIn（リンクトイン）」のプロフィール情報に基づいて、精度の高いターゲティングが可能です。

なお、広告の配信面をコントロールする「プレースメント」の指定はできません（2022年10月現在）。

3-3.広告フォーマット

マイクロソフト広告のフォーマットは多岐にわたります。ここでは2022年10月現在、日本で利用可能な広告フォーマットを5つ紹介します。

（1）検索広告

（Microsoft広告 管理画面より引用）

Bingをはじめとした検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト広告。Microsoft広告では、検索広告を2つのフォーマットから選ぶことができます。

広告タイプ	特徴
1.レスポンシブ検索広告	見出しを最大15つ・説明文を最大4つ設定できる広告。ユーザーごとに最適な組み合わせが自動的に表示される。
2.動的検索広告	検索キーワードとWebサイトに基づいて、広告が自動的に生成される

なお、Google検索広告でもおなじみの「拡張テキスト広告」はマイクロソフト広告にもあります。しかし、2022年8月29日以降、新規作成・既存広告の編集が不可になりました。

マイクロソフト広告では、レスポンシブ検索広告の利用が推奨されています。

（2）Microsoftオーディエンス広告

（Microsoft広告 管理画面より引用）

オーディエンス広告は、画像＋テキストで視覚的に表示される広告です。いわゆる「ディスプレイ広告」のイメージで問題ありません。Microsoft Audience Network に加入している様々なWebサイト・アプリに表示されます。

（3）マルチメディア広告

マルチメディア広告は、視覚に訴える大きな画像を使用してブランドや商品を紹介できる広告タイプです。

（4）ショッピング広告

（引用元：ショッピング広告とは？｜Microsoft Advertising 公式ヘルプ）

ショッピング広告とは、商品カタログに基づいた商品画像・商品名・価格などを掲載できます。ECサイトの購入数を増やしたい場合にぴったりの広告タイプです。

（5）アプリインストール広告

アプリインストール広告は、広告をクリックするとアプリダウンロード画面に遷移する広告です。

3-4.配信面

Microsoft広告の主な配信先は下記です。

・検索ネットワーク：bing,Yahoo!,AOL など、提携する検索エンジン上に表示
・Microsoft Audience Network：Microsoft Edgeなどの自社サービスを始め、さまざまなWebサイトに表示

3-5.Microsoft広告の費用（課金方式）

マイクロソフト広告は運用型広告の一種。クリックや動画視聴などのアクションが発生するタイミングで費用が発生します。たとえばクリック課金であれば、クリック単価（CPC）を抑えて多くのアクセスを獲得できるよう、入札が進みます。

主な課金発生タイミングは以下です。

課金方式	内容
クリック課金（CPC）	広告がクリックされると費用が発生
インプレッション課金（CPM）	広告が表示されると費用が発生
インストール課金（CPI）	アプリがインストールされると費用が発生

キャンペーン目的によって課金方式が異なるので注意が必要です。

 

4.Microsoft広告の始め方・配信までの流れ

マイクロソフト広告を始めるための準備や、配信方法を解説します。今回は「リスティング広告（検索連動型広告）」の配信を想定して説明します。

4-1.Microsoftアカウントの作成

マイクロソフト広告を始めるには「Microsoftアカウント」が必要です。

下記公式ページを参考に、作成してください。
新しい Microsoft アカウントを作成する方法｜Microsoft公式サポート

4-2.Microsoft 広告アカウントの作成

次に、広告アカウントを作成します。

Microsoft Advertising 公式ページ より「今すぐ始める」をクリックし、4-1で作成したMicrosoftアカウントのID・パスワードでログインしましょう。画面に沿って進むと、広告アカウントが作成されます。

ちなみに、Microsoft 広告のアカウント構成は下記のとおりです。

階層	内容
アカウント	会社単位で作成することが多い。配下にキャンペーンが連なる。
キャンペーン	広告の配信目的・予算単位で作成。配下に広告グループが連なる。
広告グループ	ターゲティングごとに作成。配下に広告が連なる。
広告	広告クリエイティブを指す

4-3.キャンペーンの設定

広告アカウントを作成したら、キャンペーンの設定に移ります。キャンペーンの目標を選択しましょう。

ちなみに、検索広告を指定できるキャンペーン目標は下記です。

上記いずれかのキャンペーン目標を選択すると広告タイプを選べる画面となります。「検索広告」を選択しましょう。

今回は「Webサイトの訪問」を選択して、キャンペーンの設定画面に進みます。

主な設定項目は上記のとおりです。

4-4.広告グループの設定

キャンペーン設定が完了したら、広告グループの設定に移ります。ここでは「広告グループ名」や「広告を表示するキーワード」、「ターゲット」、「広告のスケジュール」などを設定します。

キーワードについては「マッチタイプ」の設定がポイントとなります。入力したキーワードに対して、「関連語句にも広告を表示する」のか「そのキーワードと完全一致の場合のみに表示する」のか設定できます。

マッチタイプについては、下記公式ヘルプをご覧ください。
キーワードのマッチタイプと使い方｜Microsoft Advertising 公式ヘルプ

配信スケジュールについては、広告の開始日／終了日を指定できます。

配信ターゲットについては、地域やデバイス、性別、年齢などを指定できます。ただし、商圏が特定エリアである場合を除き、ユーザー属性やデバイスで絞り込むのはお勧めしません。配信ボリュームが減少し、成果が得にくくなるためです。

4-5.クリエイティブの作成

広告クリエイティブを作成します。今回は「レスポンシブ検索広告」を作成してみます。

主な設定項目は下記です。

設定項目	内容
1.広告タイプ	「レスポンシブ検索広告」を選択
2.最終的なURL	広告をクリックすると表示されるURL
3.ヘッドライン	広告見出し。一番目立つポイント。 半角30文字（全角15文字）まで。 最大15個のヘッドラインを登録可能。
4.パス	広告に表示されるURLのパス
5.説明文	広告の下部に表示される説明文。 半角90文字（全角45文字）まで。 最大4個の説明文を登録可能。

検索広告では、上記に加えて「広告表示オプション」を設定すると効果的です。サイトリンクや電話番号、画像などが表示され、よりユーザーに伝わりやすい検索広告クリエイティブとなります。

広告表示オプションについては、下記公式ヘルプをご覧ください。
広告表示オプションについて｜Microsoft Advertising 公式ヘルプ

4-6.審査が完了したら配信開始

広告を入稿した後は、広告審査が入ります。審査完了次第、広告が配信されます。公式ヘルプによると、通常は1日以内に審査が完了するとのことです。

不承認になったら、問題を修正して再度設定・入稿しましょう。

【備考】Microsoft広告でリマーケティング・コンバージョン測定を行う場合

Microsoft広告で、リマーケティングやコンバージョン計測を行う場合は「UETタグ（ユニバーサルイベントトラキング）タグ」をサイトに設置する必要があります。

※参考：UETの設定について知っておきたいこと｜Microsoft Advertising 公式ヘルプ

UETタグの設置には、Googleタグマネージャーを使うのが便利です。使い方については、下記コラムをご覧ください！

Googleタグマネージャー（GTM）とは？完全ガイド｜広告タグ・GA設定や使い方を丁寧に解説

今回のコラムでは、Googleタグマネージャーの使い方やメリット、よくある質問への回答を解説します。

 

5.Microsoft広告の配信事例

Microsoft広告を配信した具体的な事例をご紹介します。自社のセミナー集客を目的に、配信しました。

配信結果は下記のようになりました。

広告表示回数	クリック数	クリック率
61万回	2,000件	0.33％

クリック率は、Googleディスプレイ広告・Yahoo!ディスプレイ広告（運用型）と大差ありませんでした。

一方で、特徴的だったのがデバイス別の配信比率。ディスプレイ広告はスマートフォンへの表示回数が多い傾向にあるのですが、Microsoft広告の「オーディエンス広告」では全体の広告表示のうち8割はパソコンに表示されていました。

 

6.Microsoft広告で成果を出すコツ

ここからは、マイクロソフトで成果を出すためのコツを3つご紹介します。

6-1.配信結果を見ながら定期的に改善する

マイクロソフト広告に限らず、運用型広告では目的にあった目標を決め、配信結果を振り返ることが重要です。

目的	目標とすべき指標の例
認知拡大	広告表示回数
比較検討	クリック数
成果獲得	成果数、成果単価

上記はあくまで一例ですが、目的に応じて適切な指標で目標を設定しましょう。

適切な目標指標・数値は、商材・予算・ターゲティングにより異なります。ユニークワンでは、配信シミュレーションをお出しすることも可能です。詳細はこちらよりお問い合わせください。

6-2.ターゲティングを絞りすぎない

Microsoft広告では、会社・業種・業界はもちろん、リマーケティングなど細やかなターゲティングが可能です。

狙いたいターゲットをピンポイントに設定したくなりますが、あまり細かく設定しすぎると広告がなかなか露出せず、広告の成果が上がりにくいです。配信開始時は、ある程度広めにターゲティングを設定して機械学習を進めていくのを推奨します。

6-3.広告アセットはなるべく多く入稿する

広告アセットは、なるべく多く入稿することを推奨します。

たとえばレスポンシブ検索広告では、広告見出しを最大15個・説明文を最大4個まで設定できます。検索クエリなどに応じて、最適な組み合わせが自動的に掲載される仕組みです。さまざまな切り口の見出し・説明文をなるべく多く用意することで、表示されるパターンも増えます。検索広告の強みを最大限生かせるよう、上限数まで入稿したいところです。

オーディエンス広告も同様です。画像・短い見出し・長い見出し・説明文と、用意すべきアセットは多いですが、さまざまなパターンを用意すると良いでしょう。

 

7.まとめ：Microsoft広告を活用してみよう！

今回は、Microsoft広告について解説してきました。

• bing や Edge などMicrosoft社サービスに広告を配信できる
• パソコンを使用するビジネスパーソンにリーチしやすい
• Google広告・Facebook広告の設定をインポートできる

Microsoft広告は、日本での配信がスタートしたばかり。ノウハウがなく不安な企業様も多いでしょう。

ユニークワンはネット広告専業代理店として、いち早くマイクロソフト広告の取り扱いをスタートしました。実際の配信事例も交えてご提案・配信シミュレーションもご提供できます。

Microsoft広告のご相談・お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ！

• シェア
• シェア
• シェア