GA4の使い方と初期設定を【初めから丁寧に】解説|移行のやり方も
この記事では、無料で使える「アクセス解析ツール」を目的別に5つ厳選してご紹介します。
昨今、Googleアナリティクス4(GA4)への移行が話題になっています。Googleアナリティクスはもちろん便利ですが「GA4は難しくて活用できてない…」との声も少なくありません。
アクセス解析ツールは「Googleアナリティクス」だけではありません。目的に応じて最適なツールを活用することが重要です。
今回の記事は、下記を解説します。
- アクセス解析ツールを選ぶ5つのポイント
- プロが選ぶおススメのアクセス解析ツールを目的別に5つ紹介
- サイト改善につながるアクセス解析のポイント
アクセス解析ツールを単に導入しても「サイト改善」につながりません。成果につながるWebサイトに改善するための着眼点を解説します。
ユニークワンはWebマーケティング支援事業を通じて、800社以上のお客様を支援してまいりました。「徹底したデータ分析」を基軸に、さまざまなマーケティング手法をご提案しております。お問い合わせは、こちらからお気軽にどうぞ。
目次
アクセス解析とは
「アクセス解析」とは、ウェブサイトの利用状況を把握し、改善ポイントを見つける分析をすること。アクセス解析を行うと、Webページの課題を見つけるのに役立ちます。
アクセス解析で分析できる代表的な項目は下記です。
(1)ユーザー数:サイトを訪れたユーザーの数
(2)セッション数:ユーザーがアクセスした数
(3)ページビュー数:ページごとに閲覧された数
(4)離脱率:そのページから離脱したユーザーの割合
(5)コンバージョン数:資料請求・問い合わせなどのアクションを実行された数
上記の項目を「流入チャネル別(検索/広告など)」や「ユーザー種別(新規/既存)」、「デバイスの種類別(スマホ/PC)」など、さまざまな切り口から分析します。
アクセス解析ツール・3つの種類
アクセス解析ツールは、大きく分けて3種類のタイプに分かれます。
(1)Webビーコン型
「Webビーコン型」のアクセス解析ツールは、サイトの各ページにJavaScriptなどのタグ(ビーコン)を埋め込むタイプ。ユーザーがサイトにアクセスするとタグが実行され、解析サーバーにアクセスログが送られる仕組みです。
多くのアクセス解析ツールが「Webビーコン型」を採用しています。代表的なツールとして「Googleアナリティクス」があります。Googleアナリティクスがデータを収集する仕組みを図解すると、下記のとおりです。
※厳密にはCookieやJavaScriptなどの技術が使用されていますが、初心者向けの解説であるため割愛いたします。
Webビーコン型のツールは、ページビュー数・離脱率・デバイスなどの基本的な指標を簡単に取得可能。リアルタイムでの分析が可能です。タグを設置すればすぐに計測可能なので、手軽に利用できるツールが多いです。
(2)サーバーログ型
「サーバーログ型」の解析ツールは、アクセスログをWebサーバーに直接保存するもの。解析ソフトにログファイルを読み込ませ、分析していきます。サーバーにログが残っていれば、過去に遡って解析できます。また、画像・動画などのファイルも計測できます。
しかし、解析サーバが定期的にWebサーバからアクセスログを取り込むため、リアルタイムな分析ができません。そして、Webサイトの規模が大きいとログも増えるので、アクセス解析に時間がかかる場合もあります。
(3)パケットキャプチャリング型
「パケットキャプチャリング型」のツールは、インターネット上を行き交うデータパケットをキャプチャ(捕捉)し解析マシンに送信する方法です。Webビーコン型と同じく「リアルアイム」で解析できる点や、JavaScriptが動作しない場面でも解析が行える点がメリットといえます。
ただし、専用の解析サーバーが必要なので初期費用が高額になるケースが多いです。また、専門的な知識が必要で一般的なWebサイトのアクセス解析には向いていないことも少なくありません。
アクセス解析ツールを選ぶ5つのポイント
アクセス解析ツールは多種多様です。「とりあえず使ってみよう」と始めてもいいのですが、結局「有効活用できてない…」という事態に陥ることも。アクセス解析ツールを選ぶには、5つの観点から比較検討するのが重要です。
(1)目的
アクセス解析ツールを利用する目的に応じて、最適なツールを選びましょう。
たとえば「サイトの改善点を見つけたい」場合は、改善ポイントを自動でレコメンドしてくれるツールを選ぶと良いです。「定期的にレポーティングする」ことが重要な場合は、レポートが簡単に出力できるものや、カスタマイズ性が高いツールがおすすめです。
(2)機能
アクセス解析ツールには、さまざまな機能が搭載されています。ページビュー・ユーザー数や流入チャネルなどの基本的な項目をシンプルに確認できるツールもあれば、コンバージョン経路やペルソナ分析、ヒートマップなど、より高度な分析ができるものも。
必要以上の機能があるものを選ぶと、結局使いこなせず放置な状態に陥りがちです。自分が必要とする機能が搭載されているツールを選びましょう。
(3)使いやすさ
アクセス解析初心者の方は、操作がわかりやすいツールを選ぶのをおススメします。マニュアルを見なくても直感的に触れるツールがおすすめです。
海外の会社が提供するツールだと、日本語版がないことも。機能は豊富でも日本語話者にとって使いにくい、というケースもあるので注意しましょう。
(4)費用
アクセス解析ツールは、無料なものもあれば有料プランが用意されていることもあります。
一般的な企業であれば、Googleアナリティクスを始めとする無料ツールで十分なケースが多いです。しかし、ツールによっては無料版だと分析期間や機能に制限、サポート体制などに制限があることも。
ツールを導入して、必要があれば有料プランへの切り替えも検討すると良いです。
(5)サポート対応
ツールのサポート体制も、重要なポイントです。使い方に困ったときや不具合が発生した際に、どのように問合せできるのか確認しておきましょう。
無料ツールの場合、ヘルプページのみで個別の問い合わせを受け付けていないサービスもあります。ヘルプページの充実度を確認するのがおすすめです。また、利用者が多いサービスは「ユーザーコミュニティ」が存在することもあるので、チェックしてみるとよいでしょう。
個別で問い合わせができるタイプの場合は、連絡手段(電話・メール・チャット)や対応時間を事前に確認すると良いです。
ここからは、Webマーケティング支援会社の視点から選ぶ、おススメのアクセス解析ツールをご紹介します。無料で使えるものばかりですので、ぜひ検討してみてください。
1.まずは「Googleアナリティクス」を導入すべし
(引用元:Googleアナリティクスの管理画面)
世界的にメジャーなアクセス解析ツール
Googleアナリティクスは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。日本国内における上場企業の8割以上が利用している(2017年8月時点,DataSign社)ほど、メジャーなツールです。
どのアクセス解析ツールを導入するか迷っている場合は、まずGoogleアナリティクスを導入すべきです。
最大の特徴は、豊富な機能を無料で使える点。ユーザー分析・流入元分析・行動分析といったさまざまな切り口でデータを閲覧できます。確認できる指標の種類も、他ツールと比べてかなり豊富です。
2つ目の特徴は、Googleアカウントがあれば簡単に始められるという手軽さです。社内メンバーはもちろん、社外のユーザーと共有する際もGoogleアカウントがあればすぐ教諭できるので便利です。
3つ目に、Googleの各種サービスと連携がしやすいのもメリット。「Google広告」や、検索エンジン上の動きを分析できる「Googleサーチコンソール」とシームレスに連携ができます。
さらに、ヘルプページが充実しているのも嬉しいポイントです(公式ヘルプはこちら)。ヘルプでわからないことはユーザーコミュニティで質問も可能です。
特徴 | ・メジャーなアクセス解析ツール ・豊富な機能を無料で使える。 ・他のGoogleサービスとの連携も可能 ・へルプ・ユーザーコミュニティなど、情報が充実 ・GA4への移行が必須 |
公式サイト | https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/ |
2023年7月1日をもって、従来のユニバーサルアナリティクスプロパティにおけるデータ取得が停止されます。今後アナリティクスを使用したい場合は、GA4に移行する必要があります。GA4はかつてのUAと特長が異なるので、苦戦する方もいるかと思います。「アクセス数など簡単な数値を見れればいい」という方は、GA4でない別ツールを検討してもよいかもしれません。
「Googleアナリティクス」については、下記の関連記事もご覧ください。
2.「ヒートマップも見たい」方へ:Clarity(クラリティ)
(引用元:Clarity の管理画面)
スクロール・クリックなどをわかりやすく可視化
「Clarity(クラリティ)」は、Microsoft(マイクロソフト)社が提供するアクセス解析ツール。
2023年5月現在、すべての機能を無料で利用できます。Googleアカウント・Microsoftアカウント・Facebookアカウントのいずれかを持っていれば、簡単に利用開始できるのも嬉しいポイント。
一番の特徴は、「ヒートマップ」を利用できる点です。ヒートマップとは、サーモグラフィーのような見た目でユーザーのスクロール・クリックなどの動作を直感的に表す技術。サイト訪問者がどこまでコンテンツを読んだかなどを簡単に確認できるので、LPO(ランディングページ最適化)に役立ちます。
ヒートマップ以外にも、ユーザー行動に関する細やかなデータを確認できます。たとえば「無効クリック」や「過度なスクロール(読み飛ばされているスクロール)」などがあります。
もう一つ特徴的な機能として、ユーザーの動きをレコーディングした動画を確認できます。特定のアクションを起こしたユーザーだけを見る、などのフィルタリングも可能です。
一般的な解析ツールでは確認しにくい行動データを無料で閲覧できるのが、一番の魅力といえます。公式ヘルプが英語ですが、翻訳機能を使いながら上手く使うとよいでしょう。
特徴 | ・Microsoft社が提供 ・ヒートマップ(スクロール・クリックなど)を使える ・すべての機能を無料で利用可能 ・一般的な解析ツールでは見れない項目を計測できる |
公式サイト | https://clarity.microsoft.com/ |
ランディングページについては、下記の関連記事もご覧ください。
3.「ユーザーを詳しく分析したい」方へ:Juicer(ジューサー)
(引用元:Juicer 公式サイト)
サイト訪問者それぞれの行動を細かく分析できる
「Juicer(ジューサー)」は、ログリー株式会社が提供する無料のユーザー分析DMP。「DMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)」とは、Webサイト上のデータを収集し、サイトのパフォーマンス分析や施策の検討(ABテストなど)に活用する仕組みをさします。
Juicerの特徴は、サイト訪問者一人ひとりの人物像や行動を細かく分析できる点。ユーザーの年齢・性別・地域といった属性はもちろん、フェーズ別(認知・比較検討など)のユーザー傾向なども分析できます。ユーザー分析の結果から「推定ユーザー像(ペルソナ像)」を出力してくれるのも魅了的です。
アクセス解析の観点でも、よく見られるページやランディングページ、参照元という基本データは取得可能。「コンテンツ評価」機能では、ユーザー獲得・コンバージョン貢献などの観点でスコアを付けてくれます。ブログなどの記事コンテンツにおススメでしょう。
もう一つ大きな特徴として、アクセス解析結果を施策につなげやすいです。たとえば「興味関心をもつユーザーにのみ、ポップアップバナーを表示する」といった施策を簡単に実行可能。ABテストはもちろん、NPS(顧客ロイヤリティを測れるスコア)を測定できるフォームも設置できます。
上記のような基本機能は無料で使えます。しかし、レポート出力・広告連携など一部有料オプションもあります。
特徴 | ・ユーザー分析に特化したDMP ・ユーザー属性や熱量から推定ペルソナ像を出力 ・分析結果をWeb施策につなぎやすい ・基本機能は無料(一部有料オプションあり) |
公式サイト | https://juicer.cc/ |
4.「改善ポイントをすぐに見つけたい」方へ:AIアナリスト
(引用元:AIアナリスト サービスページ)
AIが自動で改善点を見つけてくれる
「AIアナリスト」は、株式会社WACULが提供するアクセス解析ツール。
一番の特徴は、AIがアクセス解析を自動で行い、サイトの改善点を教えてくれる点。3万6千サイト以上に導入されたツールだからこそ、機械学習によりAIが最適な改善案を提案してくれます。「サイト解析ツールを導入したけど、使いこなせない」という方にぴったりです。
Googleアナリティクスに連携すれば、だれでも無料で利用開始できます。2023年4月には、GA4対応の新機能がリリースされました(参考:WACUL社リリースページ)。
無料で利用できますが、無料プランは利用できる機能やサポート対応に制限があります。本格的にサイト改善へ取り組みたい場合は、有料プランを契約すると専任担当者からのサポートを受けることも可能です。詳細はWACUL社へお問い合わせください。
特徴 | ・AIが自動で分析し、改善点をレコメンド ・Googleアナリティクスを導入していればすぐに利用可能 ・無料プランあり(機能・サポート対応への制限あり)。 ・有料プランで、コンサルティングを受けることも可能 |
公式サイト | https://wacul-ai.com/ |
5.「レポートをカスタマイズしたい」方へ:Looker Studio(ルッカースタジオ)
豊富なデータソースから自由にレポートを作成できる
「Looker studio(ルッカースタジオ/旧称:Googleデータポータル)」とは、Google社が提供する公式のツールです。GoogleアナリティクスやGoogle広告、スプレッドシートなど様々なデータソースからレポートを作成することができます。BigQueryとの接続や有料データソースを使用するなど一部の場合を除き、基本的な機能はすべて無料で利用可能です。
一番の特徴は、豊富なデータソースを掛け合わせてレポートを作成できる点。Googleアナリティクスはもちろん、Google広告、サーチコンソール、スプレッドシートといった主要なGoogleサービスのほか、外部サービスとの接続も可能です。レポートの中身をカスタマイズしやすいともいえます。
公式ヘルプが充実している点や、操作画面が直感的に分かりやすいのもメリット。Excelなどの表計算ソフトでデータをまとめた経験があれば、すぐに慣れることが出来るはずです。
特徴 | ・Google社が提供するBIツール ・基本機能はすべて無料で利用可能 ・様々なデータソースからレポートをカスタマイズ ・公式ヘルプが充実 ・操作画面が直感的にわかりやすい |
公式サイト | https://lookerstudio.google.com/overview |
Looker Studioについては、下記の記事もご覧ください。
成果が出るアクセス解析を行う4つのポイント
アクセス解析ツールを「導入しただけ」では、事業成長につながりません。サイト改善につながるアクセス解析を行うためのポイントを4つ解説します。
(1)サイトの目標を定める
まずは、Webサイトの目標を明確にしましょう。目標とは「3年後にコンバージョン数を月間●件取れるようにする」といった、定量的な基準のことです。
目標は、サイトの目的やフェーズによって適切な指標を選ぶことが重要です。
最初から「資料請求(=コンバージョン)を増やしたい!」と思っていても、そもそもアクセスされていなければ成果につながりません。サイトを立ち上げて間もない、またはアクセス数が少ない場合は、「ユーザー数」や「セッション数」のようにアクセスを増やすことを目標としましょう。
また、Web上で完結しないビジネス(問い合わせ後に営業が商談するなど)の場合、コンバージョン数が多くても売上につながらない…というケースもあります。Webサイトの改善はもちろん必要ですが、営業部門などとも連携しながら数値を把握することが重要です。
(2)仮説をもってアクセス解析をする
数字と向き合うだけでは、改善点を発見できません。アクセス解析ツールは「仮説を検証する」ためのツールです。
仮説とは「もしかしたらこうなのではないか?」と想定すること。たとえば、自社サイトを見て「商品詳細ページが分かりにくいのでは?」と仮説を立てたうえでアクセス解析ツールで結果を見てみます。「商品詳細ページ」からのCV率が低い場合、仮説が正しいので商品詳細ページから購入までの導線を見直せばいいと分かります。
仮説を立てるには「ユーザー目線」でサイトを訪問してみることが重要です。自社サイトなので見慣れてしまうと思いますが、あえて思い込みを外し「1ユーザー」としてサイトを見てみると、改善点のヒントがみえてきます。
(3)インパクトの大きい部分を見つけて改善する
Web施策を改善しようと思うと、改善すべきと感じる箇所は多く出てきます。しかし、リソースには限りがあるので「改善インパクトの大きい」箇所をみつけることが重要です。
優先的な改善ポイントを見つけるためには、下記の切り口で分析するとよいでしょう。
(1)デバイス別(パソコン/スマホ/タブレット など)
(2)流入チャネル(自然検索/広告/SNS など)
(3)ランディングページ(ユーザーが最初に閲覧するページ)
たとえば、デバイス別に分析して「スマホ経由のユーザーが多いがCV率が低い」となれば、スマートフォンで表示される見え方を調整する必要があります。
広告流入がメインの場合、流入チャネルとランディングページを掛け合わせて「広告経由で最初に閲覧されるページで直帰率が高い」のであれば、広告メッセージとLPで整合性がとれていない可能性が考えられます。広告クリエイティブとLPを見直せばいい、と方針が定まります。
重箱の隅をつつくような改善をしても、成果につながりにくいです。なるべく多くのユーザーが訪れるページや、コンバージョンに貢献しやすい流入チャネルから改善していきましょう。
(4)プロに相談する
アクセス解析に慣れていない場合や、自分で改善策を見つけることが難しい場合は、プロの意見を参考にするとよいです。Webマーケティングの知見のある会社に相談し、具体的な改善策やアクセス解析の方法についてアドバイスを受けることで、より効果的なアクセス解析を行えます。
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まとめ:適切なアクセス解析ツールを使ってサイト改善を!
今回は、「無料で使えるアクセス解析ツール」を目的別に5つ厳選してご紹介しました。
- アクセス解析ツールは、目的・機能・操作性・予算・サポート体制で選ぶ
- まずはGoogleアナリティクスを導入
- 目的に応じて他のツールを検討してもOK
- サイト改善につなげるためには「戦略設計」と「定期的な分析」が重要
アクセス解析ツールを単に導入しても「サイト改善」につながりません。Web施策で成果を出すには、Webサイト単体でなく流入施策・接客施策も含めた戦略設計が重要になります。
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