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景品表示法(景表法)とは?意味や違反になるポイント、事例をわかりやすく解説

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景表法とは_アイキャッチ

景品表示法(景表法)は、正式には「不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)」といいます。

※景品表示法の情報は2024年6月現在の情報です。景品表示法について詳しくは消費者庁のWebサイトもご確認ください

景品表示法は企業側が広告やキャンペーンを行う際に必ず知っておきたい法律です。ただ、法律という専門的な知識になるので、「難しそう」と敬遠してしまうケースがあります。

景品表示法の知識が少ないと、知らないうちに法律違反になってしまう可能性があるので注意が必要です。

今回は景品表示法(景表法)について、以下を解説します。

  • 景品表示法(景表法)の意味
  • 景品表示法(景表法)が制定された背景
  • 景品表示法(景表法)の概要
  • 景品表示法違反になるポイントや違反にならないためのポイント
  • 景品表示法の違反事例

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1.景品表示法(景表法)とは

まずは景品表示法(景表法)の意味について説明します。

1-1.正式名は「不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)」

景品表示法(景表法)とは、正式名を「不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号」といいます

企業が商品やサービスを販売する際に、ユーザーを誤解させるような広告表示を防止するための法律です。

1-2.不当な競争や選択を防ぐための法律

景品表示法(景表法)とは_正式名

景品表示法を具体的に説明すると、商品やサービスの内容や効果について実際よりも著しく優れていると誤認させる表示を禁止するものになります。

景品表示法は商品やサービスに限らず、企業が行うキャンペーンなどの景品に関しても適用されます。キャンペーンの景品の金額や提供方法にも制限を設け、不当な競争を防ぐとともにユーザーの選択を歪めないように規制しているというわけです。

簡単にいえば「企業が誇大広告や誤解を招く宣伝を行わないように規制し、ユーザーが正確な情報を得られるようにするための法律」ということになります。

 

2.景品表示法が制定された背景

景品表示法はなぜ制定されたのでしょうか。ここからは景品表示法が制定された背景を説明します。

2-1.企業間の競争の激化

戦後、日本では経済復興により消費活動が活発になりました。ただ経済復興の過程で企業間の競争が激化します。

そして一部の企業がユーザーを引き付けるために過大広告を行うようになりました。企業の過大広告によりユーザーに間違った情報が伝わり、間違った情報を元にユーザーが商品やサービスを購入するケースが増えていきます

2-2.過大広告によるユーザーの被害の深刻化

誤った情報を元に商品を購入し、ユーザーの被害が深刻化するようになりました。実際の価値や性能に見合わない商品やサービスを購入し、経済的損失を訴えるユーザーも出てきます。

過大広告を行った企業だけでなく、正直な広告を行う企業も不利となり、結果として市場全体の信頼性が失われるようになりました。

これらを解決するために国は1962年に「不当景品類及び不当表示防止法」を制定。企業が商品やサービスを提供する際に広告の表示や景品提供において不正行為を行わないようにするルールが明文化されました。

 

3.景品表示法の概要

ここからは景品表示法の概要について説明します。

3-1.景品表示法の目的

景品表示法はユーザーの保護を目的として制定されました。ユーザーを保護し、企業とユーザー間での公正な取引も保護しています。

3-2.景品表示法の禁止・制限事項

景品表示法では主に下記の内容を禁止・制限事項としています。

・不当表示の禁止…不当表示とは、ユーザーをだますような表示のことです。不当表示として禁止されているものには下記があります。

優良誤認表示:商品やサービスの品質・規格・その他の内容について、実際よりも著しく優良であると誤認させる表示。

有利誤認表示:商品やサービスの価格や取引条件について、実際よりも著しく有利であると誤認させる表示。

上記2つの表示の他にも、ユーザーが誤認する可能性がある表示は禁止されています。例えば俗にいうステマ(ステルスマーケティング)やおとり広告も禁止されています。

※ステマに関しては下記の記事も参照ください

ステマ規制とは?いつから始まるのかや運用基準、インフルエンサーとの関わり方までわかりやすく解説

ステマ規制とは、2023年10月1日から施行される規制です。消費者庁が2023年3月28日に「景品表示法第5条第3号」の規定に基づき告示指定を行いました。

・景品類の制限…景品類とは「景品表示法2条3項および定義告示」では下記のように定義されています。

顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品または役務の取引に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であって、次に掲げるもの(値引きまたはアフターサービスと認められるものおよび商品・サービスに附属すると認められる経済上の利益は含まない)
・物品および土地、建物その他の工作物
・金銭、金券、預金証書、当せん金附証票および公社債、株券、商品券その他の有価証券
・きよう応(映画,演劇,スポーツ、旅行その他の催物などへの招待または優待を含む。)
・便益、労務その他の役務

※引用:消費者庁「景品表示法2条3項および定義告示」

簡単にいうと、ユーザーが商品やサービスを購入・契約した際に贈られる物品等が該当します。

景品には「一般懸賞」「共同懸賞」「総付景品」があり、それぞれに制限及び禁止事項が設けられています。

一般懸賞:商品やサービスを利用したユーザーに対して、くじ等の偶然性・特定行為の優劣等によって景品類を提供するものです。例えば、商店街などで行われる「〇〇円以上お買い上げのお客様は懸賞が当たるくじが一回引けます」というようなものがこれに該当します。

一般懸賞による取引価額が5,000円未満の場合の限度額(最高額)は取引価額の20倍まで、取引価額が5,000円以上の場合の限度額は10万円までと制限されています。

共同懸賞:一般懸賞と同じように、商品やサービスを利用したユーザーに対して、くじ等の偶然性・特定行為の優劣等によって景品類を提供するものです。ただ複数の事業者が共同でおこなうものが共同懸賞となります。

共同懸賞にも景品類の限度額が設けられています。最高額は取引価額にかかわらず30万円、総額は懸賞に係る売上予定総額の3%とされています。

総付景品(そうづけけいひん):「ベタ付き景品」とも呼ばれます。商品やサービスを利用したユーザーに懸賞に関わらず提供される景品類のことです。例えば「この商品を購入した方全員にプレゼント」などがこれに当たります。

総付景品には取引価格が1,000円未満の場合、景品類の最高額は200円などの限度額が設けられています。

3-3.景品表示法の罰則

景品表示法は法律のため、違反すると罰則を受ける場合があります。景品表示法の罰則には下記があります。

・消費者庁や都道府県による措置命令…景品表示法の罰則の中で一番オーソドックスなものです。消費者庁や都道府県から過大広告をやめるようにと命令が下ります。

・消費者庁による課徴金納付命令…景品表示法の規制の中で「優良誤認表示の禁止」もしくは「有利誤認表示の禁止」のいずれかに違反した場合にのみ科せられるものです。

・企業イメージの低下…違反が公表されることで、企業の信頼性が著しく損なわれる場合があります。法律としての直接的な罰則ではありませんが、SNS等で違反が拡散された場合、企業にとって予想以上のダメージを受ける可能性があります。

 

4.景品表示法違反になるポイント

景品表示法_違反ポイント

どのような場合に景品表示法違反と判断されるのでしょうか。ここからは景品表示法違反となるポイントについて説明します。

4-1.過大な表示

一つ目のポイントは商品やサービスの品質や性能について、実際よりも著しく優れたものと誤認させる広告や表示が行われた場合です。

例として、科学的な根拠や実例がないにも関わらず「このダイエットサプリメントを飲むだけで、1週間で10キロ痩せることができます!」と載せている広告です。

4-2.価格に関する誤認表示

2つ目のポイントは、商品やサービスの価格や取引条件について、実際よりも著しく有利な条件であると誤認させる広告や表示が行われた場合です。

例として、実際には1万円で購入できる商品を「今だけの特別価格!通常3万円の商品が、たったの1万円で購入できます」と載せている広告です。

4-3.商品の数量や品質に関する誤認表示

3つ目のポイントは商品の数量や品質について、実際と異なる情報が表示された場合です。

例として、「数量限定!残り3つ」と広告された商品に実際には十分な在庫数があった場合です。

4-4.景品の提供に関する違反

4つ目のポイントは特定の商品購入に対する景品提供が、法律で定められた限度額を超える場合や景品提供の条件が違法な場合です。

総付景品は1,000円未満の取引価格の場合、景品の限度額が200円と決まっていますが、900円の商品を買ったユーザーに300円のチョコレートを全員にプレゼントする場合です。

 

5.違反にならないためのポイント

ここからは景品表示法違反にならないためのポイントを説明します。

5-1.自社商品を宣伝する場合

・正確な商品情報の提供…商品やサービスの性能や効果に関しては、正確かつ客観的な情報を提示しましょう。

・過大な表示の回避…商品の性能や効果などについて、実際よりも著しく優れたものとユーザーに誤解させる広告は避けましょう。ユーザーを誤認させるような誇大表現は景品表示法に違反する可能性が高くなります。

・契約条件やキャンセルポリシーの明示…商品の購入に関連する契約条件やキャンセルポリシーなど、ユーザーに重要な情報は必ず明示しましょう。

5-2.プレゼントなどのキャンペーンを行う時

・正確な情報の提供…キャンペーンを行う場合は条件や応募方法などを正確かつ明確に表示することが重要です。

・景品価値の適正な表示…提供する景品の価値や数量について、実際に提供される価値や数量を正確に示すことが必要です。

・キャンペーン期間と条件の明示…キャンペーンの期間や条件を明確に表示し、ユーザーが適切に参加できるようにしましょう。

※SNSには媒体別にキャンペーンに関するポリシーやガイドラインがあります。SNSでキャンペーンを行う場合はそちらもご確認ください。

 

6.景品表示法の違反事例

ここからは実際にあった景品表示法の違反事例をご紹介します。

6-1.空間除菌グッズの事例

「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」という効果を記した空間除菌グッズに対し、消費者庁が課徴金納付命令を発出した事例があります。

この商品は使用するだけで「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」の効果があるような表示がされていました。

しかし、実際には合理的な根拠を示す資料がなく、課徴金納付命令の発出となりました。

※参考:消費者庁「大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」

6-2.サプリメントの事例

豊胸効果をうたって販売されたサプリメントですが、商品自体にバストアップに関する合理的な根拠を示す資料提出がなかった事例です。

またこのサプリメントは商品の無償提供と引き換えにインスタグラマーに「バストアップ」などのハッシュタグを付けて商品の投稿を指示。この事例はInstagramでのステマ行為の処分ということでも注目を集めました

※参考:消費者庁「株式会社アクガレージに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」

6-3.銀行におけるキャッシュバックキャンペーンの事例

こちらは大手銀行によるキャッシュバックキャンペーンの事例です。

この大手銀行はクレジットカードに新規入会し一定金額をカードで使用した場合に10万円を上限にキャッシュバックするというキャンペーンを行いました。

しかし、キャッシュバックの例外条件の表示が小さく、ユーザーの誤解を招くとのことで措置命令を受けました。

参考:「株式会社イオン銀行に対する景品表示法に基づく措置命令について」

 

7.まとめ:景品表示法(景表法)を正しく理解しよう!

今回は景品表示法(景表法)について下記を説明しました。

  • 景品表示法の意味や制定された背景
  • 景品表示法の概要
  • 景品表示法違反になるポイントや違反にならないためのポイント
  • 景品表示法の違反事例

景品表示法は広告やキャンペーンを行う企業なら必ず知っておきたい法律です。知らないと気づかぬうちに法律違反してしまう場合も。

違反を防ぐためにも企業側は広告やキャンペーンを慎重に行う必要があります。

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